理不尽な隣人の心の闇
2005年、アメリカ・ワシントン州シアトル。
この郊外に住むハーヴィー家の夫のレイモンドはコンクリート建設のデザインで成功し、
妻のゲイルと共に裕福な暮らしをしていた。
何不自由ない生活に思えるハーヴィー家だったが、隣の家の婦人とうまくいっていなかった。
朝、顔を合わせても無愛想な態度を取られ、挨拶をしても無視される。一体なぜなのか?
"隣の息子の行動が大きな事件を招く。"
隣の婦人には19歳の息子がいた。
この息子は気さくにハーヴィー夫婦に声をかけ遠慮なく甘えてくる今風の青年。
ハーヴィー夫婦もこの愛嬌のある隣の息子をとても可愛がっていた。
そんなある日、夫婦が旅行に出かけている間を狙って家に泥棒が入った。
なんと犯人は隣の息子。ハーヴィー家にあった新品のバイクに乗ろうと鍵を盗み、
無断で持ち出したのだ。しかし息子は運転を誤り転倒。バイクは大破してしまった。
この事件は警察にも通報され、旅行先のハーヴィー夫婦にも知らせられた。
夫婦は隣の息子を告訴することに。
"理不尽な言いがかり。隣の婦人の不満とは?"
家に帰宅すると一本の電話が鳴った。
妻のゲイルが電話に出ると、相手は隣の婦人だった。
隣の婦人:「あなたたちが息子を甘やかすからこうなったのよ。告訴は取り下げて」
あまりに理不尽すぎる言いがかりに妻のゲイルは怒りをあらわにし
絶対に告訴は取り下げないと伝え電話を切った。
しかし、隣の婦人は言いがかりなどではなく本気で夫婦に対し不満を持っていた。
これまでハーヴィー夫婦は息子を甘やかし、せがまればプレゼントを買い与えたり、
母親に行くなと言われていた素行の悪いパーティー会場へ息子を車で送ったりと
親の教育方針を無視し続けていた。それが原因で息子が警察に逮捕されたこともあった。
そんなハーヴィー夫婦の行動を隣の婦人は許せなかった。
その矢先に今回のバイク事故が起きてしまったのだ。
"6年にもわたる隣同士のバトルの結末は..."
ある日、ハーヴィー家の玄関先でぐったりと倒れた愛犬の姿があった。
病院で手当てを受けたものの、愛犬は死亡してしまう。
絶対隣の仕業だと警察に通報してもしらを切る隣の婦人に対し、ハーヴィー夫婦は
近所のスーパーで隣の婦人に対する誹謗の貼り紙を貼るなどして対抗。
一向に収まらない両家のバトルは法廷にまで及ぶこととなった。
お互いがお互いを訴えあう裁判はなんと6年も続いた。
その結果、隣の婦人の家がハーヴィー家に約700万円の支払いをする判決が下された。
しかし、ハーヴィー夫婦がこの6年間に費やした費用は2300万円以上。
恐ろしい隣人トラブル。こうなる前に話し合いはできなかったのだろうか?