身長43センチ 不屈の女性
1983年、イギリス・バッキンガムシャー州
この街で生まれた女性、マリーさんはある難病を抱えていた。
"難病によって骨折しやすい体に"
その病名は「骨形成不全症」。
結合組織の主要成分であるI型コラーゲンの不足で
骨の組織がもろいなどの異常が起きる先天性疾患。
症状が軽いものも含めると、およそ2万人に1人の割合で起こると言われている。
卵の殻の様にもろい骨。
両親はマリーを大事に育てたが、抱きかかえたり、寝返りを打つだけでも骨折してしまう。
さらに咳やくしゃみ、雷の音で驚くだけでも骨折してしまう。
骨折を繰り返すうちに体が変形してしまい立つことも困難に。
骨折は壮絶な痛みを伴う。
ギプスで固定され、寝たきりで数週間の安静が必要だった。
そんな状況でもマリーはベッドのまま学校へ行き勉強をするほどのがんばり屋だった。
"我が子が欲しいという夢を持つ"
幸いにも年を重ねるごとに骨折の数は減少。
高校を卒業したマリーは、通信制の大学で勉強しながら
特別支援学校で受け付けの仕事をしていた。
そこに講師としてやって来たダン・アンドリュースという男性と出会う。
2人は意気投合。障害を気にせず、どんな事にも前向きにチャレンジする
マリーに惹かれたダンは交際を申し込み、2013年に結婚。
幸せを手にしたマリーには大きな夢があった。
それは自分の子どもを出産する事。しかし難病を抱える彼女には大きな問題があった。
医師は、妊娠をすることは可能だが、お腹に赤ちゃんを抱えることは難しいという
お腹の中で赤ちゃんが蹴ると、骨のもろいマリーは骨折をしてしまう恐れがあるからだった。
しかしマリーの気持ちは変わらない。子どもを作ることを決意した。
"障害に負けず子育ての毎日"
マリーは子どもに自分の障害が遺伝しない事を確認したうえで体外受精を選択。
代理母の協力の元、2013年11月に長男のマークが誕生。
元気な息子はすくすくと成長。
2歳になる頃には、43cmのマリーの身長を超え80cmにまで育った。
マークは当初、オムツを変える際に暴れて骨折をすることもあったが
徐々に母親の事を理解し、大人しくするようになった。
母親として出来る事は何でもやってやりたいと
前向きに子育てに奮闘する彼女の次の夢はもう一人子どもを作る事。
マークに兄弟を作ってあげたいと考えているという。
彼女は立派な母親として前向きに生きている。