世界にはこんな病と闘っている少女もいる
2009年イギリス北東部の街、ウィズンシー
この街に暮らす、ガーサイド一家。
父のスコットと母のエマには、
長女のクロエと次女のサブリナ、そして三女のソフィーがいる。
そして、この姉妹が抱いているのが末っ子のシャーロット。
ギュッと抱いたら壊れそうなほど小さい彼女は、もうすぐ2歳。
体重は、わずか3kg。しかし、赤ちゃんとは様子が違う。
"人形のように小さい末っ子"
手足が細く、まるで人形のようだ。
彼女の小さな体は、ある病が原因だった。
その病とは「原発性 小人症」。
体の成長が遅く、著しい低身長となる疾患。
症状や体格によって様々な分類があるが、シャーロットは、その中でも頭が小さく、
骨の形成に異常が見られる、MOPDⅡ型と呼ばれるものだった。
症例数が極めて少なく、わかっていないこともいまだ多い疾患だった。
シャーロットは臨月で生まれたにも関わらず、体重は500gほどしかなかった。
身長はわずか20cm。それは、両手にすっぽりと収まってしまう大きさだった。
小さなシャーロットは飲み込む力も弱く、栄養は胃につないだチューブから摂取した。
胃自体も小さいので、1日何時間もかけて取り入れなければならない。
それでも彼女は表情が豊かでとっても可愛らしい。
彼女には、毎月訪れている場所があった。そこは理学療法のクラス。
2歳当時の彼女は、一人で立つ事はおろかハイハイもできなかった。
このとき、シャーロットの身体能力は生後6か月ほどで知能は1歳ほどだと思われた。
"小さくも少しずつすくすくと育っている"
ある日、一家が訪れたのは原発性小人症の交流会。
様々なタイプの小人症患者とその家族がやってきた。
元気よく動き回る彼らだが体の各器官が小さく弱いため、様々な合併症を起こしやすい。
まだわからないことが多い疾患だけに、こうした集会は家族にとって情報交換ができる
貴重な場所となっている。
ゆっくり成長するシャーロットを家族みんなで見守っている。
そんなシャーロットはハイハイができるようになった。
これには家族も大喜び。
小さな彼女の小さな一歩は、家族に大きな幸せをもたらした。
それから3年がたち、5歳になったシャーロットは
相変わらず人形のようだが、元気にゆっくりと大きくなっていた。
とはいえ、まだ軽々片手で持ち上げられる。
そして胃のチューブはまだ外れていないが、少しずつ、食べ物も口にできるように。
成長するにつれ好奇心は旺盛になっていくシャーロット。
いとおしいものには、キスをすることを覚えた。
そんなシャーロットは小学校に入学することが出来た。
同級生たちと体格が違う彼女には専属の教師がつき、友達と楽しい学校生活を過ごしている。
そしてついに一人で歩けるようにまでなった。
彼女は小さな体で毎日を元気に生きている。そんなシャーロットを仰天ニュースは
これからも見守っていく。