美人妻と嫉妬夫の大失敗
1997年。アメリカ、ニューヨーク。
スターを夢見る女性がいた。モニカ・オルセン(17歳)。
カナダの田舎町出身の彼女は、アメリカで見事モデルデビューを果たした。
その後、大手モデル事務所と契約し、ミラノコレクションでも活躍。
"セレブの世界に憧れ、結婚"
モデルになって4年。モニカの次なる夢は、女優。
役者を目指してロサンゼルスで生活を始めた。
思い描いた夢へひた走る彼女に運命の出会いが。
それはセレブが集まるパーティーに参加した時の事。
ディノ・グリエリメリという男性がモニカに声をかけてきた。
20歳も年の離れたディノだったが、彼は健康サプリメントを扱う事業で成功した
年商53億円の企業家だった。
ディノはモニカに一目ぼれ。
そしてモニカを頻繁に食事に誘った。
モニカは特に断る理由もなかったため、2人で会う事に。
初めて味わうセレブな世界にモニカの心は高ぶっていた。
そんな2人はすぐさま交際。そして出会って6か月で結婚をした。
800人を招待する盛大な結婚式をとり行った新婚ホヤホヤのディノとモニカ。
2人の新生活のために豪邸も購入した。
"夫の異常な束縛に苦しむ"
お金を自由に使える夢のような生活。
誰もがうらやむ夫婦。しかしその関係に変化が。
家では優しい夫のディノだったが、結婚に際しモデル業から離れていたモニカが
仕事復帰をほのめかすと妻は家にいるものだと激しく反対した。
ディノはモニカが自分の思い描いた完璧な妻じゃないと許せなかった。
元々モニカに声をかけたのも、美しい容姿だけではなく、活躍中のモデルという
肩書があったため。
お金を自由に使わせる一方で異常な束縛。
モニカは自分の物。それを脅かすことに激しく嫉妬した。
実はディノのこの性格は会社でも...。
社員が大きな手柄をたて、自分より目立つことにも激しい嫉妬心を燃やす。
そんな社員が現れるたびに徹底的に叩き潰していたディノ。
主役は自分一人で充分。
そんな夫の束縛に耐え切れず、モニカは離婚も考えた。
しかし、セレブの生活は捨てられない。
"妻の活躍を許さない夫"
そんな2人が結婚して2年。可愛らしい娘に恵まれた。
シエナと名付けた。
その娘が2歳になった時に転機が訪れた。
娘に使っていたクリームが合わなかったのか、肌が荒れていた。
その時、モニカにあるアイデアが浮かんだ。
それは子ども用のスキンケア用品の販売。
健康事業をしていたディノに出資をしてもらい、スキンケアのブランドを立ち上げた。
ディノは、素人であるモニカに事業なんてできるわけがない、そう思っていた。
しかしその思いとは裏腹に、モニカのビジネスは大成功。
マスコミもモニカに注目した。
自分よりも注目される妻。ディノの嫉妬心は大きく燃え上がる。
そして強引にモニカの事業を取り上げた。
しかし、彼女はそれに大人しく従う女性ではなかった。
モニカは夫に反抗するようにモデルの仕事に復帰。
この事はすぐにディノの耳にも入った。
下着姿の刺激的な写真が話題となり、モニカは再び脚光を浴びた。
ディノは仕事を辞めるようモニカに忠告するが、モニカは夫の忠告を無視。
引き続きモデル業を続けた。
自分の思い通りにならない妻。
何もかも自分より注目される彼女に嫉妬したディノの怒りはピークに。
そして2012年1月。
激しい言い争いの中でディノはモニカに暴力をふるった。しかも子どもの前で。
そしてディノのほうから離婚を突きつけた。
"嫉妬により破滅した夫"
これはモニカにとっては好都合だった。
夫と別れられ、お金も要求できる。
弁護士を通じて、モニカの要求がディノに伝えられた。
財産の半分の他、月の養育費が約550万円。もちろん娘の親権も譲るつもりはない。
ディノはこの要求に応じるはずもなく、2人は裁判に。
その裁判の結果、モニカの要求がすべて認められることになった。
自分が負けた。ディノにとってこれ以上の屈辱は無かった。
そして怒りがおさまらない夫は、仰天ニュースでは"あるある"のあの行動に出る。
それは、第三者に依頼してモニカを殺害するという計画。
しかし殺人を依頼された男は殺し屋でも何でもなく・・
モニカを監視しているうちに心が痛み、なんとモニカの弁護士に計画を打ち明けた。
すると、その計画は警察に伝えられた。
数日後、殺害計画をやり取りする会話を録音され、2013年10月3日
それを証拠にディノは逮捕され、懲役9年の判決が言い渡された。
ディノが釈放されるのは5年後の2021年。
モニカはディノに見つからないようどこかでひっそり暮らすつもりだという。