放送内容

2016年6月29日 ON AIR

命を奪った刺身のツマ

私達が普段スーパーで買う刺身パック。
この海の幸の中に食べ方を間違えると命を落とす食べ物がある。
そして過去にこれを食べた女性が亡くなるという事態が。果たしてその正体とは?


"夫婦が食べたのは普通の食材"


1993年。横浜。
この町に住むある夫婦がいつもと変わらぬ穏やかな夕食を送っていた。
しかしその30分後だった。


妻に突然の腹痛。さらに、吐き気が我慢出来ず、嘔吐。
ほどなく夫にも同じ症状が。
あまりの激しい症状にすぐに病院へ。


ただちに治療が行われ、
まもなく夫の症状は治まったものの、
翌朝になって妻は亡くなってしまった。


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実はあの時、刺身のツマでよくある「オゴノリ」という海藻を酢の物にして食べていたのだ。
そんなキケンな海藻を夫婦はどこで手に入れたのか?


オゴノリは本州から九州にかけての沿岸でごく当たり前にみられるという。


では、なぜ危険なこの海藻が良く食べられているのか?


実は食品として流通しているオゴノリは業者が加工処理を施したもの。
あの夫婦は海で採れたままの赤紫の生のオゴノリを食べていた。
それが間違いだった。


"生で食べると危険な海藻"


夫婦の食中毒事件でオゴノリを鑑定した、東京医療保健大学大学院の野口教授によると、
オゴノリは、生で食べると危険なのだという。


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問題は「食べ合わせ」だった。
野口先生によれば、オゴノリのもつ酵素が一緒に食べた魚の脂質の成分と体内で反応し
プロスタグランジンE2という中毒を起こす物質を作るという。


とりたての新鮮なものであるほど酵素の働きは活発で中毒を起こす
プロスタグランジンE2は男性より女性に強く影響する特徴があるという。


これまで国内で3件起きているオゴノリ食中毒の死者はすべて女性。
市場に出回っているオゴノリは石灰水につけて酵素の働きをなくしてある。
その過程でオゴノリは緑色に変わる。


だから刺身のツマで付いてくるオゴノリは全く安全。
食品として流通しているものは、安心して食べてよい。
しかし海でオゴノリを見つけてもくれぐれも生では食べないようにして下さい。

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