仰天探検隊酷暑SP第2弾!
世界には71.5℃という驚異的な気温を記録した国がある。
ジブチ共和国。四国ほどの小さい国に約90万人の人が住む酷暑の国。
そのジブチでも最も暑いエリアにスタッフは向かった!
"海抜の低い位置にある酷暑の地"
ジブチでも最も暑いエリア...それは小石や岩が転がる「れき砂漠」。
実は海抜が影響している。ここは海抜が低く、一番低い場所ではなんと
マイナス154メートル。これが暑い原因。
ジブチは標高3000m級の山脈に囲まれている。
その山頂から乾燥した空気が一気に海抜マイナス154mまで下っていくとき、
気温はどんどん上昇。強烈な熱風が発生し超酷暑地帯となる。
さらに、年間を通してジブチ付近にはほとんど雲がかからないので雨も降らない。
そんな過酷な土地で暮らしている人達の家をスタッフが取材した。
近づいてみると...いたのはアファール族のモハメッドさん。
育ち盛りの子どもたちと、3週間前に生まれたばかりの赤ちゃん。
奥さんのエブさんと暮らしているという。
彼らの住居は、石造りの建物。中を見せてもらうと...家の中は涼しい。
両サイドにある窓から家の中に風が吹き通る。
さらに、石が崩れないように内側からセメントで固めた壁。
火山活動が活発なこの地帯では、溶岩が多く存在する。
この溶岩石が暑さから身を守る大きな役割を果たしていた。
実は石は太陽光が当たる外側は熱くはなるが、溶岩が外の熱をとめてくれるので、
家の中は高温にはならないという。
実際に建物の中と外で温度を測ってみた。
日を遮り、風通しを良くすることで建物の中は8℃も低かった。
ちなみに、火を使うキッチンは別の建物にある。
これも生活スペースである住居に熱気をこもらせないための知恵。
実は180世帯のアファール族が住むこの村には、
食材を買う商店や、学校、病院などがある。
一番貴重なのは水。政府が運営している給水車に頼るしかないのだ。
モハメッドさん一家は水の節約の為、炭でお香を焚いて、衣服や布団に匂いをつけている。
水が貴重な高温地帯においては、洗濯することもままならない。
洗濯の代わりに、お香で香り付けをしていたのだ。
匂いだけでなく、殺菌の効果もあるという。
そして日が暮れると、彼らは寝る準備をする。
夜になっても気温が30℃を下回ることはない。
太陽が隠れたあとは、外の方が風が心地よい。
その為、みんなで外に布団を敷いて就寝する。
"灼熱の地にある温泉"
水を浴びることもままならない彼らに、とっておきのスポットがあった。
乾いたれき砂漠とはうってかわって、そこには潤った水面が。
実はこれは、温泉だった!
地熱によって地下水が温められ、熱湯が湧き出ている。
源泉は74℃越え。しかもお湯の熱で気温も高い!
もともと入浴の習慣がないため頻繁に来ることはないが、
ここを訪れると温泉につかって帰るという。
源泉から少し離れると40℃ほどの適度な湯加減に。
灼熱の大地で温泉に入ると、気化熱によって体がひんやりするという。
世界一暑いと言われるジブチ。この国の首都ジブチは朝が超早い。
ジブチでは涼しい朝の時間帯に人々が活動する。
公共の機関や学校はこの時期、朝の7時から始まって、午後2時には終了する。
太陽の上昇とともに気温もどんどん高くなる。
午前9時半になると38℃。乗り合いバスの呼び込みのお兄さんもすでに汗だく。
そして、昼には40度超えが日常のため店じまい。
あまりの暑さに太陽の高い時間は仕事など出来ないのだ。
"塩湖の塩が与える恩恵"
そんな灼熱の大地に驚くべき光景があった!
スタッフはとんでもなく暑い土地に到着。
早速、気温測定をすると、昼12時の気温がなんと50.1℃!
そしてこの場所には水の豊富なアッサル湖が。
しかしこの湖の水はしょっぱい。アッサル湖は塩湖だった。
ちなみに、塩分濃度は普通の海水の約10倍。
スタッフが大きい石を抱え、水に身を任せてみると簡単に浮く。
そして塩湖から上がって数分経つと、あっという間に乾いて、体中に塩の結晶が。
これほどの暑さにもかかわらず、なぜ湖は干上がってしまわないのか?
実はアッサル湖の10キロメートル南東にはタジュラ湾という海がある。
そしてジブチのこのエリアには大地に大きな裂け目がある。
その裂け目を通ってタジュラ湾から常に海水がアッサル湖にしみ込んでいっているという。
だから、アッサル湖は灼熱地帯にありながら、奇跡的に干上がらない。
そんな奇跡のアッサル湖はモハメッド一家が暮らす村の人たちにある大きな恩恵を
もたらしていた。それが彼らの収入源になっている。
朝6時、村人たちがラクダとともにやってきたのは、灼熱スポット「アッサル湖」
伝統的な掛け声とともに、彼らは塩湖の地面を掘っていく。
出てきたのは全て天然の塩の塊。これを売って収入を得ているのだ。
この美しい塩があるから、彼らはこの過酷な大地で生きていけるのだ。
塩はラクダに乗せられ、数日かけて歩いてエチオピアまで運ぶ。
過酷な地で人間はいろんな工夫をして生活していた。