世界に勇気を与えるモデル
現在アメリカで、モデルとして活躍するカンヤ・セッサーさん。
実は、彼女には大きなハンデがある。
そのハンデをあえて人々に見せる仕事を選んだ彼女の信念とは?
"彼女が持つ大きなハンデとは"
カンヤ・セッサーさん、23歳。
実は彼女は両脚を持たずに生まれてきた。
右手の指も3本しかない。
その原因は、「先天性四肢欠損症」。
1992年、タイで生まれたカンヤさんは生まれてすぐ両親に捨てられた。
その為この疾患が遺伝かどうかなど、原因はわからない。カンヤさんは孤児として施設で育てられた。
その後5歳の時、アメリカ人夫婦の養子となり
タイから遠く離れたアメリカ・オレゴン州ポートランドへ。
父は科学者、母は障害を持つ子ども達に数学と英語を教える教師だった。
そんな両親の元、愛情いっぱいに育てられ明るい女の子に成長。
運動神経がよく、14歳から競技用車椅子に挑戦。
ワールドカップに出場しトラック競技でメダルを獲得。
2012年にはロンドンパラリンピックにも出場した。
そのハツラツとした姿が企業の目に留まりスポーツウェアのモデルに抜擢され
大手スポーツブランドからもオファーが来るようになった。
現在は親元を離れ、ロサンゼルスで本格的に洋服や水着、下着のモデルをこなしている。
カンヤさんは自分がメディアに出ることで、障害を持った人が自分も外に出ていいんだ、表現していいんだ、と自信を思って欲しいと語っている。
"何でも一人でこなす彼女"
現在はモデルの他、インターネットテレビの出演などで収入を得て、
2LDKのマンションを友人と3人でシェアして暮らしている。
どんなに苦しくても人の手を借りずに自分の力でやりぬきたいという彼女は、
買い物も一人でこなし、家の中でも自分でできることはルームメイトには頼まない。
以前暮らしていたポートランドでは車の運転もしていたというカンヤさん。
今は車は所有していないが、代わりに彼女の強い味方となっているのがスケートボード。
車いすより小回りがきくので買い物以外のお出かけはこれを使う。
スケートボードのおかげで彼女の行動範囲はぐっと広がったという。
スケートボードが盛んなロサンゼルスでは、皆が技を披露しあうスケートパークが多数ある。
ここに通うようになって友達が増え、よりポジティブになれた。
軽やかにウォーミングアップしてカンヤさんも鮮やかなボードさばきを披露!
たくさんの人に見られる事は彼女にとっては喜びだという。
彼女のモットーは「No legs, No limits」。脚はないけど限界もない。
次々に目標を掲げ、達成する努力を惜しまない。
"平昌冬季パラリンピックに向け猛特訓中"
彼女は現在、2018年に韓国の平昌(ピョンチャン)で開催される、
冬季パラリンピックを目指して、モノスキーのトレーニングをしている。
そのため毎日、ジムで筋トレ!!
小さい頃から手を使って歩いてきたから、腕力は強い。
続いて向かったのはなんとプール。
腹筋を使って胴体をくねらせ腕力を使って器用に泳ぎ回る。
練習が終わると汗を流すためのシャワーももちろん一人で浴びる。
ルームメイトは何でも自分でやってしまうカンヤさんにいつも驚いているという。
カンヤさんはたくさんの人に勇気を与える事は時には疲れるけど
それが自分の仕事で、神様から命を頂いた意味だと思って毎日を過ごしている。
ボーイフレンドとは3か月前に別れてしまったというカンヤさん。
今は色んなことにチャレンジしたいのでまだ結婚や出産については考えていないが、
妊娠することは可能だという。
カンヤ・セッサーさんは全てに前向きでアクティブに頑張る女子だった。