小さな小さな女の子の奇跡
カナダ南部に位置するオンタリオ州に
手の平に乗るほど体の小さな少女がいる。
もちろん人形ではない。名前をケナディという。
4歳にして身長66cm、体重は4.5kg。
生後数か月の赤ちゃんほどの大きさしかない。
"原発性小人症とは?"
ケナディは、ブロムリー家の長女として生まれた。
決して早産だったわけではないが...身長18cm、体重は1キロ程で産まれた。
吸う力が弱く、母乳を飲めない為、チューブを通してミルクを与えた。
ところが、ケナディは、数か月たっても、一向に体重が増えなかった。
そして、医師から告げられた病名は...
原発性小人症(げんぱつせい しょうじんしょう)
体の成長が遅く、著しい低身長となる疾患。
両親からの遺伝によって引き起こされ、頭蓋骨は小さく、骨はもろく折れやすい。
彼女が2歳のとき、弟も産まれた。
弟の体にはまったく異常はなかったが、ブロムリー夫妻の遺伝子の組み合わせでは、
4分の1の確率で、原発性小人症の子どもが生まれる事が判明した。
4歳になってもおしゃぶりがないと、落ち着いて眠ることができない。
ベッドも生まれた当時のままの赤ちゃん用サイズ。
ケナディは、ぼんやりとしか、ものが見えない。
また、鼓膜には小さな穴が開いていて、うまく聞き取ることができない。
そして、両親が、特に気をつけたのが、手首の脱臼...。
関節の噛み合わせがゆるくてすぐに外れてしまう。
少しぶつかっただけでも骨折の危険があり、運動することもできなかった。
"同じ症状と闘う人たちの希望の光に"
7歳になったケナディは普通の小学校に通っていた。
そして、原発性小人症のケナディに奇跡が起き始めている。
なんと走ることができるまでに骨が強くなったのだ。
それから6年、13歳となったケナディは見違える程に大きくなった。
4歳の時と比べると、身長が30cmも伸びている。
また、骨密度を調べると通常の密度になっていたという。
さらに10代になって理解力が増し、
できることがどんどん増えてきているという。
原発性小人症において異例の成長を見せているケナディ。
彼女の存在は同じ症状と闘う人たちの希望の光となっている。