2009年。イギリスで最も太っていると言われた、ポール・メイソンさん。
身長193㎝、体重はなんと444㎏という超ビッグな体。

だが、7年後の現在の彼は、なんと驚きの変身を遂げていた！
この7年で一体彼に何があったのか！？

"太りすぎで完全介護の生活"

今から7年前の2009年。ポールの人生はどん底だった。
両足が閉じられないほど、太ももの肉はせり出し、自分の力で体の向きを変えるのも大仕事。

ベッドから起き上がる事が出来ず、完全介護の生活を受けていた。
ケアワーカーが毎日朝8時から夜8時まで派遣され、ポールの巨大な体を丁寧に洗い
隅々まで拭く。

このケアにかかる費用は何と年間1300万円以上。
それは全て国民の税金で賄われた。

なぜ莫大な税金を使って、彼の面倒を見なければならないのか？
非難が相次ぎポールさんは叩かれた。

しかし彼には病を抱える年老いた母親しか身寄りがない。
助けてくれる人など誰もいなかった。

そんな時、医師からある治療の提案が。それは胃と小腸とを途中からつなぎ直し、
食べられる量も消化吸収できる量も大きく減らす「胃バイパス手術」だった。

2010年1月。胃バイパス手術は実現することになった。
手術により胃の大きさは卵1個分ほどに。
そして、この小さくなった胃を小腸につなげ、手術は見事成功した。

"フィアンセのためにさらなる減量！"

大減量に成功し、以前と比べると体重は半分以下になったポール。
その体にはその努力の証ともいうべき、余った皮が大きく垂れ下がっている。
そんな彼が見せたい物があるという。それはとある女性の写真。
なんとその女性、ポールのフィアンセだった。

彼女の名はレベッカ・マウンテン。イギリスからは遠く離れたアメリカに住んでいる。
実は彼女、偶然ポールのドキュメンタリーを見て、その姿に釘付けになったという。

こうして彼女は直ぐにポールのメールアドレスを見つけ出し連絡をすると、
やがて二人は、インターネット電話で毎日のように話すようになった。

連絡を取り合うようになってから3か月後の2013年10月。
レベッカさんはポールさんに会いにイギリスまでやってきた。

そして互いの気持ちを伝えあい交際が始まったが、ほどなくして
レベッカさんの方からプロポーズ！こうして二人は婚約をすることになった。

しかし、順風満帆に思えた彼だったがとんでもなく大切なものを失ってしまう。
婚約中だった2014年ごろ、余った大量の皮膚が邪魔でうまく歩けない状態だった。
そのため皮膚の除去手術を受けるため資金集めをしていた。

そんな彼に、アメリカのニューヨークから朗報が届く。
なんと形成外科のジェニファー・カプラ医師が無料で手術を行ってくれるというのだ。

こうしてポールはニューヨークへ。
すぐに、カプラ医師の診察を受けた。
医師によると腹の皮膚はもちろん、足に残る大量の皮膚が体のバランスを崩し、
歩行を妨げているため、足からもかなりの量の皮膚が除去されることになった。

そして2015年4月。ついにあまった皮膚の除去手術が行われた。
最初に腹の部分からとりかかる。
皮膚自体に太い血管はないのだが、近くを走る大きな血管を傷つけてしまうと
大量出血を起こし命に関わる。そのため手術は慎重に行われた。

そして開始から3時間後、腹の部分から巨大な皮膚の塊が切り取られた。
その重さは...なんと11キロ！

そして腹を縫い合わせると同時に足の部分に取り掛かる。
右足からは9キロ、左足からは2キロの皮膚が切り取られた。
こうして開始から6時間後、大きな問題もなく手術は終了。

切り取った皮膚は合計22キロにもなった。

"破局を乗り越えまだまだ減量！"

手術から3か月、彼のもとを訪ねると、その変貌ぶりに誰もが目を疑った。
手術前にダブダブだった体はスッキリとなり、スムーズに歩けるようになった。
筋トレも行い、エアロバイクだってこぎ放題！

手術後の体重は134キロ。
なんとMAX444キロから計310キロもの減量に成功したことになる。

だが、この後とんでもない悲しい出来事が。
ポールさんが歩けるようになってから間もなくして、カメラの前で
婚約を解消すると宣言した。

一体何があったのか！？
レベッカさんの話によると、手術をし、せっかく歩けるようになったのに
ポールは全く家の事をやらないのだという。

そんな彼の態度に愛想がつきてしまったという。
ポールは泣いて悔やんだが、もう彼女の心は離れてしまった。

この破局から1年たった現在もポールはアメリカに残り、
カプラ医師の元で治療を続けていた。
今度は二の腕と脇の下の余った皮を除去するという。

そして今年8月30日手術は行われた。
すると、二の腕にぶら下がった皮はスッキリと取り除かれた。
恋人とは別れてしまったが、減量の方は順調のようだ。