放送内容

2016年12月21日 ON AIR

仰天探検隊 クリスマス島へ行ってみた

『クリスマススペシャル』という事で仰天スタッフが向かったのは、
ずばり「クリスマス島」!そこはどんな島なのか?


"見渡す限りカニだらけ!"


シンガポールを経由して15時間。オーストラリアのパースへ
そこからさらに飛行機を乗り継いで6時間、ついにクリスマス島に到着。


オーストラリア領クリスマス島、名前のようなクリスマス感はあまりない。
街は空港周辺のみで島の半分以上が国立公園に指定された、大自然の島だった。


人口は約2100人。観光がメインで、島の主な産業はリン鉱石の加工と輸出。
農業や畜産はほぼないため、なんとレタス1個がおよそ1200円!


実は「クリスマス島」の名前の由来は12月25日に島が発見された、ただそれだけ。
しかし、この島は世界的に有名な「ある現象」が起こる場所だった。


現地ガイドと合流し、午前3時。
月明かりの海に行くと、産卵を控えたカニがビーチ一面に!
島にいる5000万匹のうち、およそ2000万匹のメスが卵を産み付ける
海辺に集まっているのだ。


お腹の下にある、黒い固まりは卵。
毎年、雨期のこの時期になると産卵のためカニが集まり、海辺はカニだらけになる。
天敵のネズミが100年以上前に絶滅したため、爆発的に増えたと言われ、
このカニの大移動は世界中の人が知る、この時期の風物詩となっている。


これだけの数があればカニが食べ放題!と一見思いがちだが、
このカニは保護されていて、故意に殺したり、捕獲した場合は最高で
5000ドルの罰金が科せられるという。しかも食べても美味しくないらしい。


このように人間が食べなかったのもこれだけ増えた理由の一つとされる。
このカニは「アカガニ」といい、森などの陸で暮らす種類。
クリスマス島の固有種と言われ、森のいたるところに生息している。


このアカガニ、驚くことに地面に落ちているものは好き嫌いなくなんでも食べる。
木の実、フルーツ、コケまでも、地面にあるものはなんでも食べるため、
アカガニによって害虫なども発生しにくいと言う。


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だが、元々は海に暮らす生物。子孫を残す為には海へ卵を放たなければならない。
そのため産卵時期になると、山から降りていきあの大移動となる。


"そこはカニと人が共存する島だった"


さらに現地の人に聞くと、産卵の光景が一風変わっているらしい。
ダンスをしながら産卵するという...一体どういうことなのか?


カニの産卵に密着すると、多くの観光客の姿もあった。
しばらく待っていると、その神秘の光景が目の前に!
波を浴びた瞬間、はさみを高く上げ小刻みに体を揺らして卵を放つ。
その後も、次から次へと我が子を海へ送り出すアカガニたち。


その姿は、島の人が言ったように、まるでダンスのよう!
一匹が放つ卵の数は最大で10万個!!
この卵は6週間後に赤ちゃんガニになって戻ってくるという。


一方、無事産卵を終えたカニたちは、人になれているのかどんどん寄ってくる。
だから、添い寝もできる。
こうしてカニと戯れることができるのも、クリスマス島の光景。


だが、メスガニたちにはまだやらなければならないことがある。
ここからまた巣のある森に戻らないといけない。その道のりは最長で9キロもある。
アカガニの足では2週間くらいかかるという。


その道のりの途中には現地の施設もたくさんある。
ホテルのランドリー室やゴルフ場、サッカー場までカニの姿が見て取れる。
カニと一緒にラウンドを回り、カニと一緒にサッカーもする光景。


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他にも、体育館や学校の授業にカニが入り込んでくることも!
しかしクリスマス島の人たちにとっては慣れっこ。
ペットたちも慣れている様子だった。


そんな街でも、カニと人間が注意しなければならないことがあった。
アガガニ達にとって島を移動するうえで最も危険なのは車が通る道路の横断。
どんなに気をつけて運転をしていても車が全てのカニを避けて通ることなど到底できない。
そのため、島の住民達は熊手をつかって、安全な道路脇に避難させるなどしている。


さらにカニのための道やカニ専用の歩道橋も作られている。
こうした島をあげての努力で、アカガニが車に轢かれることは8割以上も減ったという。
絶海の孤島で繰り広げられていたカニの大行進!
クリスマス島は「カニ」と「人間」が共存する驚きの島だった!

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