極悪夫 本当の涙
アメリカで人情あふれる判決を下すことで
地元で知られている女性裁判官、アンバー・ウォルフさん。
彼女が担当したある裁判で全米が涙した。一体どんな裁判だったのか?
2016年2月、アメリカ、ケンタッキー州ルイビル。
この町にある問題を抱えた夫婦がいた。
夫のジェームズは働きもせず怠惰な日々を送っており、妻の不満はたまっていた。
妻のお腹には赤ちゃんがいた。しかももうすぐ出産予定日。
出産費用もないのに、なぜか余裕な様子を見せる夫。
実はこの夫、カネが無くなると、盗みを働く常習犯だった。
妻も夫の犯行を手伝ったことがあり、夫婦そろって逮捕されたことも。
出産費用を稼ぐため、
これで最後だという夫の言葉を信じて、仕方なく妻も再び盗みを手伝う事になった。
ジェームズが目をつけたのは、以前、少しだけ働いていた家電量販店。
閉店後、店の裏口に近づき...身重の妻の手も借りて、
大型テレビなど6000ドル相当(約60万円)を盗んだ。
しかし数日後、盗んだテレビの製造番号から足がつきあっさり逮捕された。
以後2人は、裁判所から面会することを禁じられた。
しばらくして裁判が始まった。
担当するのは人情あふれる裁判官、アンバー・ウォルフ。
彼女は、過去にも窃盗の罪で起訴されているこの男をよく知っていた。
そしてどうすればこの男が本当の意味で更生するのかを考え、あることを思いついた。
ジェームズが逮捕された直後、妻は赤ちゃんを出産。
しかし別々の拘置所にいたため、男は我が子にまだ会えていなかった。
そこで彼女は法廷で赤ちゃんを抱っこしてもいいという特例を出したのだ。
ジェームズも突然の事に驚いた。
面会を禁じられた妻が出産直後の赤ちゃんを抱いて自分の前に現れる。
そして初めてその手に感じる我が子の重み。男は...涙した。
こうして、夫婦は涙で更生を誓ったという。