14歳中学生 心の闇
インディア・エドモンズ。イギリスの14歳の女子中学生。
愛らしく健康そのものだった少女はあるものに夢中になってしまった。
その結果、過激なダイエットを行いわずか半年後に57kgあった体重は38kgに。
半年でおよそ20kgも痩せてしまった。
彼女は一体何に夢中になり激やせしてしまったのか?
"SNSでの投稿がキッカケだった"
2012年、イギリス北部の町、ニューヘイブン。
14歳の中学生、インディア・エドモンズは3週間後に修学旅行が控えていた。
そこでクラスメイトは楽しそうに旅行先でビーチに行こうと誘ってきた。
この時インディアの体重は57kg、身長は163㎝。
いたって普通なのだが、自分は友人より太っていると勝手に思い込んでいた。
インディアは3週間後のビーチに向け、やせる努力を始めた。
しかし結果はすぐには出ず、友人のSNSを見ては落ち込む日々。
とりあえず、できる限りの食事制限とトレーニングを続けた。
そして毎日、自分を撮影しつづけた。
するとその努力が実り、お腹は見違えるように引き締まった。
この時、ダイエット前よりなんと6kgも痩せていた。
修学旅行でこれまで誰にも見せたことがなかったビキニ姿。
クラスメイトもカワイイと言ってくれた。
思い出にとビキニ姿で記念撮影。
そしてインディアはある行動に...これが彼女の運命を大きく変える。
今まで一度も自分の写真をSNSにアップした事はなかったが恐る恐るやってみた。
すると...「かわいい!」とコメントが。
嬉しかった。自分がかわいいと言われるなんて思っていなかった。
すると、インディアに更なる目標が生まれた。
もともとインディアは自分の脚が太いと思い込み大キライだった。
隙間の空いた太ももになりたいと極端な減量をし始めたインディア。
深夜にゼリーだけを食べるという食事制限を続け体重はドンドン減っていった。
そしてついに...太ももに憧れの隙間が!!
するとSNSでは隙間を賞賛するコメントが急増。
インディアは、わずか2か月で13キロも痩せていた。
急激な減量を心配する母をよそにSNSに寄せられるのは自身への賞賛コメント。
その言葉の数々にインディアは酔っていた。
"止まらないダイエットで命の危機に"
そんなある日、「シンスピレーション」という言葉を見つけたインディア。
すぐに検索すると、出てきたのはガリガリに痩せたモデルの写真。
シンスピレーション。それは、痩せるという意味の「シン」と気持ちを高める、
という意味の「インスピレーション」を足した造語で「痩せる気持ちを高める」ものの意味。
私は彼女たちに比べてまだ全然痩せてない...
くやしいと感じたインディアは過度なダイエットを続けガリガリに痩せた。
画像をSNSに載せるのに夢中になった。するとフォロワーが急増した。
そのフォロワーの正体は、「プロアナ」という"拒食は個性"と主張する人たち。
あばらや、背中などの骨が浮き出れば浮き出るほど、美しいとしていた。
インディアはこれを美しいと感じてしまった。そして、競い合ってしまう。
ほぼ絶食状態でフラフラだったがトレーニングを毎日続けた。
友人も痩せすぎのインディアの状況を心配するが、彼女は聞く耳を持たない。
心配する友人よりも褒めてくれるSNSがいい。そう感じるようになってしまっていた。
その頃、唯一食べていたゼリーも吐いてしまうようになっていた。
実はインディアのように食べる量が極端に減ると、食道や胃の筋肉が弱り、
消化機能が低下する。
すると、常に胃もたれの状態になり食べ物を入れると、嘔吐などの症状を引き起こす。
こうして57kgあった体重が、わずか半年で38kgになってしまった。
そしてついにインディアは自宅で意識を失った。
何とか命は助かったが、なんとこんな状況でもSNSに画像投稿を毎日行った。
すると、過去最高まで痩せた自分を、多くのフォロワーが賞賛した。
とにかく栄養を取らないと、インディアの命が危ない。
強制的に鼻からチューブを入れ、24時間栄養を送り続けた。
しかしインディアは何度もチューブを抜いてしまう。
医師から500kcalほどの少量の病院食を食べるように言われても
インディアは、水だけ飲んで食べ物には手をつけない。
そんな時、彼女は運命を変える声を聞いた。
「彼女細すぎるわ」、「可哀想に......もう長くないわね」
それは同じ病院にいた別の患者からだった。
もう長くない?自分が?
そんなに深刻だったのか...初めて心に突き刺さった。
こうして、インディアは徐々に、食事ができるようになっていった。
しかし半年で痩せたのに退院まで7か月もかかった。
それから4年、現在のインディアの体重は47kg。入院時より10kg体重が増加した。
インディアは現在、自身の経験した事を自分のガリガリに痩せた画像と共に配信し、
同じ道を歩む人がいなくなるように警告している。