ブタクサで大ヤケド
ある植物に足が触れただけで...
まさかの...火傷のように腫れて上がってしまった!
それは...ある化学反応によって起きたという
原因は、太陽にあった!
"触れただけで火傷をする植物とは"
2015年6月。
イギリス・イングランドの南西部に位置するサマセット州ブリッジウォーター。
この町に住むディーン・シモンズは半年前に離婚し、
今は三人の娘のシングルファーザー。
この日、ディーンは趣味の釣りへ。
ふと足元を見ると...ジャイアント・ホグウィードという植物に触れてしまっていた。
ジャイアント・ホグウィードはセリ科の植物。
大きいものは3m以上にも成長し、白い花を咲かせる。
皮膚に触れるとかぶれる特製がある。
そのことを知っていたディーンは、念のため、水で洗い流した。
ところが、翌日、事態は急変する。
なんと赤くただれた足には、ゴルフボールの大きさ程の水ぶくれが!
まるで火傷のようにただれてしまい、激しい痛みで立ち上がる事もできない。
すぐに救急車で病院へ。
火傷のようにただれた右足は、くるぶしからふくらはぎまで広がっていた。
その深さは真皮に達する二度熱傷と診断され深刻なものだった。
その原因は、ジャイアント・ホグウィードに含まれるフラノクマリン類という物質だった。
フラノクマリンは光増感物質と呼ばれ、人間など動物の皮膚に付くと
紫外線を吸収して皮膚細胞を傷つける力が強くなる物質。
ライムやグレープフルーツにも多く含まれている物質なのだが、
紫外線によって皮膚を火傷させる物質に変化するという特徴をもっている。
ジャイアント・ホグウィードに触れた後も普段通り生活をしていたため、
紫外線を吸収し、皮膚をただれさせたと考えられた。
ジャイアント・ホグウィードの繁殖力は強く、
現在イギリスの様々な場所で広がり、社会問題になっている。
あれから半年、現在のディーンを訪ねると
傷跡はほとんど無くなっていたが、よくなるまでに1か月もかかったとのこと。
外出するときは、足を保護する為にサポーターを付けているという。
ジャイアント・ホグウィードは、現在、日本には生育していないが
光増感物質をもつ、似た植物があるという。
それは、オオハナウドという植物。
ジャイアント・ホグウィードに姿が似ていて、河川敷やあぜ道などで見かける。
高さ1~2mで6月~8月頃に花を咲かせる。うっかり触らないよう注意が必要だ。