ハチに刺されてオネエになった夫
ここにも、ある日突然「ウソみたいな大変身」をしたパパがいた。
そのきっかけは「ハチ」。一体どういう事なのか?
"蜂に刺されてアレルギー反応を起こす"
2003年アメリカ、オハイオ州。
父、テッド・プリンス31歳。長男ローガン。二男バリー。そして妻のルネ。
幸せな4人家族だった。子どもたちと庭で遊んでいた休日に事件は起こる。
テッドに何かが近づいてきた。スズメバチだった!
そして次の瞬間!右胸を刺されたテッドは呼吸困難に陥った。
スズメバチ科など、毒を持つハチに刺されると、体内に抗体ができる。
その後、再び同じ毒を持つハチに刺されるとその抗体が反応してアレルギー反応が
過剰にでてしまうことがある。
テッドは以前にもハチに刺されたことがあったため、体内に抗体を持っており、
アナフィラキシーショックを引き起こしたと考えられた。
適切な処置のおかげで、一命を取り留めたが、
アレルギー治療のために、テッドの血液は詳しく検査されることになった。
この検査でテッドの驚くべき秘密が判明する!
それは、クラインフェルター症候群。ヒトの染色体異常症のひとつ。
染色体の中には、性別を決める1対2本のXとYの「性染色体」がある。
Xが2本なら女性、XとYが1本ずつなら男性。
クラインフェルター症候群の人は、性別としては男性でありながらX染色体の数が多い。
それは先天性で、男性ホルモンの分泌量が少ないことにより、
心身が女性的になるなどの症状がある。
世界的な統計では、出生男児の1000人に1人の割合といわれている。
さらにテッドの場合、蜂に刺された後の治療でステロイドホルモンが大量に
投与されたことで一時的にホルモンバランスが変化した可能性があると推測される。
診断の結果、医師は、テッドが女性的な体つきになる可能性があると告げた。
"ホルモンバランスが変化しオネエに"
夫が女性的になってしまう可能性がある。この衝撃的な診断に...喜んでいる夫を、妻は見た。
実はテッドには、ある「趣味」があった。それは、「女装」。
妻、ルネもその趣味を受け入れ結婚していた。
そして医師の予想通り、テッドの体に変化が起き始める。
なんと胸が大きくなりはじめ、2年後にはBカップに。
体つきも女性らしくなり、髪の毛も伸ばしはじめた。
ハチにされてから9年後。
現在のテッドはもう、女性にしか見えなかった。
名前も「クロエ」に改名したという。
紆余曲折あり、クロエとなった父を家族も受け入れたという。
クロエは、自分と同じように心と身体の性の不一致で悩む人のために
形成外科でカウンセリングの仕事をしている。