女子高生が寒冷アレルギー
北海道札幌市在住の女性、山崎菜々美さん。
彼女は寒冷アレルギーと闘っている。
寒冷アレルギーとは、冷たいものや冷えた空気によって
皮膚が急激に冷やされる事で発症するアレルギー。
発症のメカニズムについては解明されていない点が多いが、
大人でも子どもでも発症することがある。
札幌はその土地柄、冬の季節は気温も氷点下になる事が多い。
過酷な環境の中で、彼女はいかにしてこのアレルギーと闘っているのか?
"水に触れるだけで発生するアレルギー"
菜々美さんは幼い頃から大きな病気などしたことがない、活発な子どもだった。
しかし、今から4年前の11月、それは突然だった。
いつものように自転車に乗っていると、体にある異変が。
手が異常にかゆい。しもやけ?と思ったが、腕全体が真っ赤に腫れていた!
しかも腫れは足にも。一体何が起きたのか?
初めての事に不安になり、すぐに病院へ。
しかしその日、患者が多く1時間以上も待たされた。
すると...いつのまにか、腫れは消えていた。
不安もあったが、医師にどのように説明すればいいか分からず、
その日は診察を受けなかった。
とはいえ、何だか心配になり調べると...目についたのは、様々なアレルギーの症状。
そんな中、あるアレルギー症状に目が留まった。
それが「寒冷アレルギー」。急激に皮膚が冷やされることで起きるアレルギーだという。
すぐに冷たい水で試してみると、書いてあったとおり濡れた部分が赤く腫れた。
すぐに医師に相談。
医師によれば、自転車で冷たい風を浴びたことにより、この蕁麻疹が引き起こされたという。
このアレルギーは、皮膚の温度が体温より低下し刺激を受けると、
ヒスタミンという物質が放出されることで血管を拡張させ、血液の一部が皮膚内にもれ出す。
それにより赤く腫れ、蕁麻疹を引き起こす。
同時にヒスタミンが神経を刺激してかゆみを伴う。
症状があらわれた場合には、すぐに毛布などで体を温めることを告げられた。
だが、ここは北海道。日中でも氷点下になることが多い。
寒さと闘うのは大変だった!
"時に命の危険にさらされる場合も!"
こうして寒冷アレルギーと闘う事になった菜々美さん。
寒い日は...顔全体が赤く腫れてしまうこともあった。
しかも、その症状は冬だけではない。夏も彼女を苦しめる場所がある。
それはスーパーなど冷房の効いた場所。買い物をする際に上着は必需品。
冷たい空気に触れないよう気を使わなくてはならない。
また、アイスが食べたくても唇に冷たい物が触れると赤く腫れてしまうので、
触れないようにして食べていた。
ちなみに彼女の場合は、口の中に冷たいものが触れても症状は現れなかった。
そして、トイレで座る便座が冷たいと蕁麻疹が出てしまう。
歯磨き、洗顔も水ではできない。
友人たちと飲み会に行っても、コップが冷たいと手や唇が腫れるため、
ビールもストローで飲んでいた。
海もプールも冬のスキーも彼女は楽しむことができなかった。
そして、症状が出始めてから2年経った夏のことだった。
突然の雨にあたり、濡れた服が体温を奪う。
すると、突然息が出来なくなり苦しくなった。
気道が収縮され、呼吸がしづらくなっていたと考えられる。
寒冷蕁麻疹の対処法はまず体温近くまで温める事。
この時は何とか大事に至らず済んだが、対処を誤っていれば最悪の場合、
アナフィラキシーショックを引き起こし命の危険もあった。
突如、発症するという寒冷アレルギー。冷えた皮膚が赤く腫れたら要注意だ。