ラブコネクション
日本国内でも危険は迫る。
カフェで働く普通の女子大生がアルバイト先で積極的な外国人に恋をした。
また別の女性は困っている外国人に道を教えたことがきっかけで親しい関係となった。
実はこれ、男たちが仕掛けた巧妙な罠だった。
「ラブコネクション」と呼ばれる、恐ろしい計画の全貌とは?
"婚約者に頼まれ運んだ荷物の中身とは?"
2013年7月。
ある女性が、海外旅行の準備をしていた。
一緒に暮らす男性との2人旅。彼は、ナイジェリア人で彼女の婚約者。
結婚を控え、幸せ一杯だった女性。
しかし、それは長い時間をかけた男の計画だったのかもしれない。
2人の旅先はインド。
この旅行にはある目的があった。それは不妊治療。
インドは「不妊治療」でよく知られた国だという。
2人は予定通り旅をし、帰国がせまった日のこと。
男は自分のトランクを持って帰って欲しいと言った。
実はこの男はバツ1で日本人の前妻との間に一人娘がいた。
パンパンにつまったトランクの中には娘のお土産がたくさん入っていると言う。
女性は、愛する彼の頼みを快く引き受けた。
そして、彼女は一足先に日本へ。
空港に着くとなぜか別室に呼ばれ、スーツケースがX線検査を受けることになった。
するとブザーが鳴り、荷物を開けて調べる事に。
税関職員によって中を調べられると、とんでもない事実が発覚する!
スーツケースの中に隠されていたもの...それはたくさんの白い粉。
「覚醒剤」だった。
その量、3.7キロ。末端価格およそ1億3千万円。
女性は、気づかぬうちに覚醒剤を運んでしまったのだ。
"忍び寄るラブコネクションの魔の手"
実はこれこそがラブコネクション。
運び屋にする相手を探し、時間をかけ「恋愛関係」を築き
信頼させてから、密輸させる方法。
多くは運び屋をしている意識が無いため空港での挙動も怪しくなく捕まりにくいとされる。
男女問わず日本人が狙われているが、特に女性の場合、ナイジェリアなどの
西アフリカの男性に騙されることが増えているという。
実は近年、ナイジェリアを含む西アフリカが覚醒剤の生産地として、
一大拠点になりつつある。
その輸出先は「覚醒剤」が高く売れる「アジア」。
特に日本は、現地での製造原価のおよそ10倍で売れるといわれ、
日本人を「運び屋」にしたい組織が後を絶たない。
そんな「ラブコネクション」の罠に落ち起訴された女性。
裁判長の判決は「無罪」だった。
この女性はナイジェリア人の男を婚約者として信頼しきっていたことなどが認められ、
幸いにも無罪を勝ち取ったが、無罪にならないケースも多いという。
そして、覚醒剤の隠し場所も年々、手が込んできている。
お土産だと言われて渡された置物の中に覚醒剤が隠されていたり、
ノートパソコンのキーボードの下に仕込まれていたことも。
さらに「覚醒剤を樹脂に溶かしてスーツケースの内側にみせる」という、巧妙な手口まで。
手を変え、品を変え、運び屋にしてしまう。
多くの日本人が被害に遭っているラブコネクション。
夫と死別した49歳のある女性は、出会ったナイジェリア人男性に
覚醒剤の運び屋にされた。
このケースも不起訴にはなったが、
死別した夫の保険金、3500万円も奪われてしまった。
外務省は、「安易に外国で荷物を受け取らないこと」、
また、断ると身が危険になると感じた場合は
出国前に大使館などに相談するよう呼び掛けている。