2017年5月 2日 ON AIR
赤ちゃんの回復力の神秘
2016年、アメリカ・ノースカロライナ州。
出産を迎えようとしていた夫婦がいた。
妻のマリーと夫のウィリアム。
2人には、心配なことが...それは妊娠5か月目の検診の時だった。
医師から胎児が「腹壁破裂」という病気だと診断されていたのだ。
"内臓が飛び出た状態で生まれる病気"
腹壁破裂とは...赤ちゃんのお腹の壁が作られる過程でおへその右側の弱い部分が裂け、
本来お腹の中にあるはずの小腸や胃などが外に飛び出した状態で生まれる病気。
出生後、すぐに手術をして、飛び出た臓器を戻すのは危険な場合もあり、
皮膚または人工膜で臓器をおおい、段階的にお腹に戻す。
原因は不明。
日本での発症は2万に1人ぐらいとまれな疾患だった。
それでも夫婦は産むことを決めた。
そして、昨年9月、女の子を出産。エリオットと名付けられた。
しかしそのお腹は...診断通り胃や腸、卵管、卵巣などの内臓が体の外に飛び出していた。
我が子を抱っこする間もなく出産から数分後に、
内臓を体の中に戻す準備のための手術が行われた。
そして生後3日が経過し、飛び出ていた臓器はなんと数日の間に重力によって
体内へと自然に戻っていった!
懸命に生きようとするエリオット。
そして、生後8日目には、2回目の手術が行われた。
すると、飛び出ていた臓器はキレイに体内へと戻された。
手術は無事終了し、ついに我が子を抱くことができた母のマリー。
生後19日までは、母乳をチューブで与えられていたが、
哺乳瓶で飲めるまでに回復した。
現在のエリオットは普通の赤ちゃんと変わらず元気に成長している。
内臓が飛び出していたお腹は、徐々に傷口も目立たなくなるという。
今では、ミルクの量も増え、排便も順調。
夫婦は子どもの成長を楽しみに、家族3人で幸せに暮らしている。