世界の危険な通学路 inコロンビア
"ケーブル一本で谷を越える村"
南米コロンビアで仰天視察隊!
今回も小池百合子都知事に扮した八幡カオルが現地へ。
アメリカを経由しておよそ26時間。
着いたのは南米コロンビアの首都ボゴタ。
標高が2500mを越えるため、赤道に近いが1年を通して気温は15℃ほど!
では、危険な通学路へ!コロンビア式のタクシーに乗車。
アンデス山脈に囲まれた道を進んでいく。
首都ボゴタを出発してからおよそ4時間。
着いたのは、道路の脇にある駐車場のような場所。
ここは首都ボゴタから、標高が1500mも下に位置するため、気温は30度近い!
そして目の前には、山と山の間に川がある。
一体どこに危険すぎる通学路があるのか?
村人に学校が見える場所まで連れて行ってもらうと、
その場所は向かいの山のはるか上。
通学するには、深い谷を越えなければいけない。
その手段とは、なんと山と山をつなぐケーブルだった!
まさか、手でつたっていくと言うのか?
するとそこへ村人らしき人がやってきた。
このケーブルを使って自宅へ帰るという。
まず滑車をケーブルにかけ、そこにロープを引っ掛ける。
さらに大切なのが、木のブレーキ。ケーブルとの摩擦でスピードを調整するという。
説明をしてくれた後、村人はあっさりとケーブルを使って去っていった。
片道約400m。谷底からの高さはなんと約180m。
そして、時速60kmものスピードで谷を超える!!
ちなみに、帰り用のケーブルも隣にあった。
果たして本当に、これで小学生が通っているのか?
"超危険な通学路にチャレンジ!"
この日は休日。明日登校する小学生を訪ねた。
お邪魔したのはロドリゲスさん一家。
長男スティーブン君があるものを見せてくれた。
それはマイ滑車。
子どもから大人まで、みんな自分専用の装備を持っている。
しかもブレーキは手作り。
ならばと、八幡もマイブレーキを作ってもらう事に。
ブレーキの素材はその辺に落ちている枝。
いらない部分を削ぎ落とし、わずか3分で完成。
命を預ける道具にしては、意外とあっさり作れてしまった。
その晩、スティーブン君のお父さんが家に招いてくれた。
サトウキビが原料のネクタルと言うお酒をいただく。
このお酒をまず、床に垂らす。すると酔いが回りにくくなると言われているらしい。
そんなことを聞いた八幡は遠慮なくグイグイと。
ピッチが上がり飲み続けた。
すると...完全に出来上がった八幡はやっかいなおばさんへと変貌した!
そして翌朝。
いよいよ、ケーブルでの通学を体験する!
定期的に張り替えているので、これまで切れたことはないというが、
八幡は女性から緊急用のパラシュートを渡された。
彼女はパラシュートの専門家。万一のために来てもらった。
これで準備万端。
それでも怖がる八幡を見て、スティーブン君はブレーキにお守りのリボンを付けてくれた。
そんなやさしいスティーブン君が先に出発する。
手慣れた様子でロープを滑車につけ、発進!
なんなく向こう側へ到着。
いよいよ八幡が挑戦。
コロンビアの山奥に彼女の絶叫がこだまする!
そして...なんとブレーキをかけすぎたのか、ゴール手前で停止。
こんなときは手でケーブルをたぐり寄せながら進まなければいけない。
ギャーギャーわめき、パニックでたぐり寄せることができない八幡。
見かねた村人が救出作戦を開始した。
しかも、紐を引っ張っているのは、9歳のスティーブン君。
みんなに助けられ何とか到着。
小学校まではここからさらに登る。
反対側の山を出発してから1時間。やっと学校に到着した。
"子どもたちの夢へと繋がる大切なケーブルだった"
ここロス・ピノス学校は、下は5歳の幼稚園児から、
上は13歳の中学生まで、全校生徒10人を、たった1人の先生が全て教えている。
ルース先生は離れた街から来ているので、教室の隣に住み込みで働いている。
しかもルース先生はなんと、スティーブン君の祖母だった!
母のロレーナさんが、ルース先生の娘にあたる。
食事も学校で食べる。
教室の隣にキッチンがあり、教師見習いのラウラさんの手作り。
大きなガスボンベや学校の備品など、必要なものはすべてあのケーブルで運んでくる。
はっきりとした重量制限はないらしいが、大体のものは載せられるという。
そしてこんな物も運ばれる...大きな袋に入っているのは、なんと子ども。
小さな子どもが街に行くときなどは、大人が抱えてケーブルで運搬するという。
このケーブルは通学路でもあり、物や人が行き来する重要な道でもあるのだ。
学校での昼食が出来上がった。
この日のメニューは、鶏とジャガイモのスープ。
しかし八幡は不安がぬぐえない。
放課後、またあのケーブルを使って帰るのかと思うと、気が重い。
しかし、スティーブン君達は放課後になってもなかなか帰る様子がない。
実は、毎日行き来するのは大変なので、兄弟は平日の間、学校に寝泊まりしていた。
なぜか八幡にすっかりなついたスティーブン君。とっておきの遊び場に案内してくれた。
そこは川。自然が楽しい遊び場。
ビショビショになるまで遊んだあとは、毎日自分で洗濯。
9歳とは思えない、超しっかりもの。
そのあとはみんなで宿題タイム。
この日は、いつもは帰るお母さんも学校にお泊り。
勉強が大好きなスティーブン君の将来の夢は警察官だという。
こんなにしっかり者なのには、ある理由が。
実は、スティーブン君は今の両親の本当の子どもではない。
実の両親はスティーブン君が生まれてすぐに蒸発した。
スティーブン君が八幡に懐いているのはそんな境遇だからかもしれない。
スティーブン君はいつもは一人でテントで寝るが、この日は八幡と一緒。
翌朝5時。八幡爆睡中!!
一方、スティーブン君はお母さんも学校に泊まった為、
ケーブルを使ってお父さんのご飯を届けに行くという。
向こう側ではお父さんが無事に朝食を受け取り、スティーブン君はまたこちらに戻ってくる。
先生やお母さんは朝食準備。
スティーブン君が山を登って帰ってきても
八幡はまだ寝ている。見かねたスティーブン君が声をかけにいく。
おばさんはやっと起床した。
いよいよ、子ども達とお別れの時間。
最後の最後まで八幡に付き添うスティーブン君。
後ろ髪をひかれながらケーブルを進む八幡。
感動の別れ...になるはずだったが、やはりまた途中で止まってしまった。
再び大絶叫するおばさんでした。