ノンスタイル石田 知られざる本当に辛かった時
ノンスタイル石田、彼には知られざる辛い時期があった。
相方であるノンスタイル井上の当て逃げ事故も
昔の自分だったら絶対に耐えられなかったという。
昔の自分。実は石田には病と闘った過去があった。
それは...うつ病。その壮絶な日々とは?
"フリートークで結果を出せず...自信を失う"
ノンスタイルが結成して間もない頃、すぐに漫才が評価され、
バラエティ番組のゲスト出演オファーがたくさん舞い込んだ。
しかし、石田には悩みがあった。
漫才ならばセリフが決まっているのでしゃべれていたが、
フリートークの番組では何もしゃべれなかった。
ひな壇にいると手が震えて声が出なくなる。
だから石田はバラエティ番組のゲスト出演が嫌でしかたがなかった。
もっと前に出ろと急かす相方の井上。更なるプレッシャーで声が出ない。
仕事すればするほどストレスは溜まり、自信もなくしていく。
やがて、人としゃべることも減っていった。
布団に入っても、なかなか寝付けない。
そうなると、遅刻する事も増えた。
食欲もなくなり、体重も減った。
やる気が出ない日々、できることなら仕事に行きたくない。
しかし、休めば井上に迷惑がかかる。
そう思うと休めない...仕事に対し悩み続けた。
"仕事のストレスでうつ病に"
その後、別の症状も出始めた。
少し高いところにいると吸い込まれるように落ちそうになる。
防止するために家のベランダには鳥よけのネットをつけた。
何か自分が怖くなってきた石田は意を決して病院へ。
すると医者からはうつの症状が出ていると診断された。
うつ病は興味や喜びの喪失や不眠などの症状が出て、落ち込む状態が長く続く。
発症のきっかけは様々で、原因はストレスなどから引き起こされると考えられている。
基本的な治療法は十分な休養と薬の服用、病状に応じてカウンセリングなども行われる。
石田も睡眠薬、安定剤、抗うつ剤も処方され服用するようになった。
すると、薬の副作用なのか石田の場合、朝起きるとなぜか外で寝ていたり
ポケットからなぜか葉っぱがどんどんでてきたり、
さらに借りた覚えのないDVDがあったり...
これはかなり稀な症状らしいが、
薬などの副作用により頭がぼんやりし、何かをして寝てしまった可能性が考えられた。
(※うつ病に特徴的な症状ではありません)
こんなことならいっそ芸人をやめたかったが、
相方を思うと...うつの薬を飲んでいるとは言えなかった。
自分1人の問題ならやめられるが、相方がいるのでやめられない。
そんな日々が続いていたある日、相方の井上から思わぬ言葉が。
井上「今度のABCお笑い新人グランプリで、賞絡まなかったら...やめよう」
それは解散の言葉だった。
悲壮感はなかった。これでもうこの仕事から解放される...そう思った石田は了承した。
"ありのままの自分を...薬を腰にぶら下げた!"
そして、運命の日。
ABCお笑い新人グランプリに2人が挑んだ結果...なんと審査員特別賞を受賞。
この結果、ノンスタイルは解散せずに続けることになった。
どうやら運命は芸人をやめるなと言っている。
だが...一体どうすれば?
そんな時、今の状態をなるべく多くの人に知ってもらう事が大事だという
医師からのアドバイスをもらった石田は、突拍子のない方法を考えた!
それは...薬を腰にぶら下げて歩くこと!
これがないと自分は無理なんだと、みんなにアピールしたのだ。
それを見た他の芸人仲間は面白おかしく笑ってくれた。石田はすごく気が楽になった。
そんな噂を聞きつけて石田を呼び出した人物がいた。
それはブラックマヨネーズの吉田。
実は吉田もひな壇にいると手が震えていたという。
自分だけじゃない、その安心感が石田を救った。
吉田のおかげで石田の体調は回復し、2008年にはM-1グランプリで優勝。
さらにフリートークでもしゃべれるようになった。
こうして石田は、仲間や恩人、そして相方に支えられ、
地獄のような日々から抜け出すことが出来た。