アニサキスとは、主に魚介類に寄生する回虫の一種で
うっかり食べてしまうと強烈な腹痛を起こす事がまれにあるという。

"ほとんどの人に症状が出ないアニサキス。しかし..."

アニサキス症の対策とは、魚は60℃以上で1分以上加熱するか
マイナス20℃以下で24時間の冷凍。
または生の場合、よく噛んでアニサキスを死滅させることも有効だと言われている。

さらに驚きの話が！アニサキスの治療を30年以上続ける梅谷医師によると、
アニサキスが体内に入っても、96～97%もの人は症状が軽いか出ないという。

ほとんどの人が症状が出ないとはどういう事なのか？
それはアニサキス症によって起きる痛みのメカニズムにあった。
急性の胃アニサキス症の痛みというのは、局所のアレルギー反応によって起きるもの。
腹痛の原因は、生きたアニサキスが胃をかじったからではないのだ。

実は体内に入った生きたアニサキスが胃の粘膜を破って侵入し、分泌液を放出する。
すると、一部の人はアニサキスやその分泌液によって局所的なアレルギー反応を起こす。
その強い炎症によって胃の筋肉が収縮し、強烈な痛みを感じる。

だが、多くの人は生きたアニサキスを食べたとしても、そのような反応は少ない。

ところで...アニサキス症とアニサキスアレルギー。その違いをご存知だろうか？
情報番組スッキリのリポーター、西村綾子さん。
彼女はアニサキスアレルギーによって生活が激変した！

彼女にその症状が起きたのは1年前。
突然現れた原因不明の蕁麻疹が体から浮き上がっている。
さらにその2週間後、今度は腹部に経験のない違和感を覚えた。

すぐに病院で検査を受けると...なんとアニサキスに関して
強烈なアレルギー反応が出ていたのだ。

だが、彼女は納得がいかなかった。
なぜなら彼女は、アニサキスには人一倍気を付けていた。

"生活を変えてしまったアニサキスアレルギー"

それは、さかのぼること2年。
元々大の釣り好きで、魚好き！釣りは一人ででも出かけるほど。
釣った魚は自分で捌いて食べるのがなによりの楽しみだった。

だがある日、生きたアニサキスをうっかり食べアニサキス症に！
内視鏡で西村の胃の中から1匹のアニサキスが摘出された！

それからというもの釣ってきた魚には最大限の注意をし、なるべく焼き魚で、
生の場合はよく噛んで食べた。
そんなアニサキスに人一倍気をつけていた西村さんがアニサキスアレルギーに
なってしまうとは。

生きたアニサキスが胃の粘膜に侵入する事で局所的に痛みが起こるのがアニサキス症。
一方でアニサキスアレルギーは生きたアニサキスに限らず、アニサキスの持つ、
抗原によって引き起こされる。
その抗原は熱に強いため、加熱してもアレルギーを引き起こしてしまう。

東京アレルギー・呼吸器疾患研究所、渡邉医師によると、
西村さんがアニサキス症にかかった時にアレルギー体質になったと仮定して、
少量では反応しないような体質だったが、その後アニサキスを時々
摂取していたことによってアレルギー体質が進行し、症状が起きたと考えられるという。

その他、アレルギー症状が起きた原因は様々だが、その発症は個人差が大きい。
だが、アニサキスアレルギーは重度になると気管支けいれんによる呼吸困難などにより
命を落とすこともある。

アニサキスはおよそ160種類以上の海産物への寄生が確認されている。
つまり西村さんはこれら全てでアレルギー症状を起こす可能性があるのだ。

現在彼女は万が一のことを考えアンチョビを使ったソースや
オキアミを使ったキムチも控えているという。
アニサキス症とアニサキスアレルギー、気を付けることが全然違うのでご注意を！