超肥満男 半年で200kg減ったナゾ
成人の3分の1が肥満だと言われ、
ある機関の調べで肥満率1位になったメキシコ。
この国に今年8月ギネス世界記録に認定された肥満男性がいる。
その体重はケタ違いの約595kg!!
彼はどうやってここまでの体重になったのか?
仰天スタッフは、世界一の肥満男性が住むメキシコ西部の街グアダラハラを訪ねた。
出迎えてくれたのは立派な体格の母親マリアさん。
お父さんのエルミーミョさんも現在113kg。
そしてその奥にいたのが、ギネスが認定した超肥満男、
ホアン・ペドロ・フランコさん。33歳。
一日中ベッドでの生活。
ほとんど動けないので身の回りのことはすべてお母さんがやっている。
そんなペドロさん、実はいまダイエット中だという。
現在の体重は、380kgくらい。
なんと595kgからマイナス215kgの減量に成功していた。
そもそもどうしてペドロさんはここまで大きくなってしまったのか!?
"なぜか運動しても太ってしまう"
1984年。4人兄弟の末っ子として誕生したペドロ。
生まれた時の体重は3500g。
ごく普通の体重だったが、1年ごとに10kgずつ体重が増え4歳になった頃にはおよそ50kgに。
どんどん大きくなるペドロを心配していた母マリア。
普段の食事には気をつけていた。
トルティーヤを主食に、豆料理に卵と野菜、それからフルーツといったメニュー。
本当にこれしか食べていないならあまり肥満になりそうもない。
もちろん、量も他の兄弟と一緒だった。
さらにペドロは運動も大好きで毎日兄弟とサッカーをして遊んでいた。
それなのに、どうしてペドロだけが肥満体型なのか?
実は甲状腺に異常があったのだが、当時は病院でそれを発見出来ず、
8歳で100kgを突破。そして15歳で200kgを突破する。
でかくなり続ける謎に加え、さらに体重が増えるある事件が発生する。
それは山へキャンプに向かう途中に起きた!
助手席に乗り込んだペドロ。
体が大きすぎるためシートベルトが届かない。諦めてそのまま出発。
そして山の下り道に差し掛かった時、ブレーキが故障!
カーブを曲がりきることができず、シートベルトをしていなかったペドロは
車から放り出されてしまった。
なんとか一命は取り留めたが背骨や腰骨、足などを折る重症。
この大ケガが原因で一日のほとんどをベッドで生活するようになった。
動いていても体重が増えるのに、動けない。
その結果、ペドロはおよそ10年で595kgに。
このままでは息子は死んでしまう...心配した母は色んな人に助けを求めた。
"甲状腺機能低下症が原因だった"
すると、去年の11月。転機が訪れた!
それはペドロさんの噂を聞きつけたアメリカのテレビ番組の取材。
ペドロさんの現状を見た番組スタッフが、肥満治療の専門医を連れてきたのだ。
去年の12月からペドロさんはカスタニエダ医師指導のもと治療を開始。
検査の結果、ペドロさんは甲状腺のホルモン分泌に異常があることが判明し、
甲状腺機能低下症であると診断された。
甲状腺機能低下症とは、のどぼとけの下にある甲状腺から出るホルモンが少ない疾患。
甲状腺ホルモンは内臓の働きを活発にしたり新陳代謝を促進したりする働きがあるため
これが少ないと基礎代謝が著しく落ち込む。
すると食べ物のエネルギー消費が悪くなるため人と同じ量を食べていても太ってしまう。
実は30代以降の女性が多く発症する病気で、食生活を変えていないのに体重が増える、
むくみやすくなるといった症状が現れる。
ペドロはすぐに甲状腺ホルモンの分泌を促す薬を飲んだ。
すると機能が回復。太り続けることがなくなり
なんとわずか半年で、200kgの大減量に成功した。
今では歩行器を使えば立ち上がることができるようになった。
現在、食事は栄養士が管理するメニューを食べている。
この日は血糖値の上昇を抑えると言われるウチワサボテンという
メキシコ特有の野菜の炒めものや、タンパク質が豊富なチーズ、
炭水化物はジャガイモでとる。
食後は上半身を動かすトレーニングによって体重を落としている。
必ず痩せて、お母さんやお父さんのために働きたいと彼は語る。
現在目標とする体重は150kgだという。