信じられない奇跡のおじさん
インドで暮らす男性、バソリ・ラームさん。
体は子どものように小さいのに、顔はおじさんだという。
果たしてどんな人物なのか!?
スタッフは彼が暮らすというインドへ向かった!
"1歳児より小さなおじさん"
人口13億人を超える超大国インドの首都、ニューデリーから南へ600キロ。
飛行機で2時間のジャバルプールという町へ向かった。
そこからさらに車で3時間、インドのほぼ中央に位置するバカリ村へ。
野球のグラウンド1つ分ほどの大きさで村人はおよそ200人。
村人たちに案内されながら、バソリ・ラームさんの家に到着!
出迎えてくれたのは弟のゴピさん。どう見ても体の大きな大人の男性。
ということはバソリさんはもっと年上なのか?
さらに家の奥へ進むと、バソリさんがいた。
スタッフが声をかけると、甲高い声で「ナマステ」と挨拶で出迎えてくれた。
手の大きさは10センチ程、身長は73センチ、
体重は13キロ。スタッフが抱きかかえられるほど軽い。
年齢はというと...大体55歳なのだという。
大体というのは今まで年齢など気にした事はないためだった。
この家では、バソリさんの弟のゴピさん夫婦、
さらにゴピさんの息子夫婦、つまりバソリさんの甥っ子夫婦とさらに
その子どもと暮らしている。
弟のゴピさんが農業で一家の生計を立てている。
ちなみにバソリさんは働いた事はないという。
"最近体の調子がすぐれない"
バソリさんが病気だと知らされたのは何十年も前のこと。
両親が原因を知ったのは年に数回来る医師からだった。
息子は成長が止まってしまう病気。でも治療をすればある程度成長は戻る。
と、医師に言われても一家に病院に行かせられる余裕などなかった。
こうして、彼は現在まで一度も病院に行っていない。
そんなバソリさん、現在は普通に歩く事もできるし、
食事も1日2回しっかりと噛んで食べる。
ところが、カメラが密着したこの日は珍しく食事を残したバソリさん。
実は3日程前からお腹が膨れて痛みを感じるのだという。
家族と話し合い、翌日に人生で初めて大きな病院で診てもらう事に。
病院へ行くのは明日。家族は心配そうにしている。
しかし日が暮れると、バソリさんにある変化があった。
急に大好きなお酒について語り始めたのだ。
奥の部屋へ行くと、そこには毎晩飲んでいるというお酒が。
いつもこの場所で1人晩酌をしているという。
実はこの酒、48度もある。
酒の味をゆっくり堪能すると思いきや、一気飲み。
10年以上前から酒にハマっているバソリさん。
毎晩1杯だけ飲んで眠りにつく。
でもやはり具合は悪そうだった。
"検査の結果、原因が判明!"
翌朝、よそ行きの服にも着替え初めての病院へ!
ゴピさんの息子と親戚が付き添う事に。
車で移動する事3時間、病院へ到着。
すぐに診察が始まったが、医師の判断でさらに詳しい検査を受ける事になった。
まずは採血。しかし血管が赤ちゃんのように細く見つけられない。
何度も採血を試みてみるが、結局血はとれなかった。
今度は内臓を詳しく調べるためCT、そしてMRIの検査。
すると臓器は小さいが、しっかりと大人の形をしていることが分かった。
全ての検査が終了。
医師によるとお腹がふくれていた原因は、便秘だという。
検査結果を聞いた本人もこれには照れ笑い。
それはさておきバソリさん。身長73センチは低身長症としてもかなり小さい。
一体なぜ、こんなに小さくなってしまったのか?
この日の検査データを、低身長症に詳しい医師に診てもらうと
その原因が甲状腺機能低下症だと判明した。
甲状腺機能低下症とは何らかの原因で甲状腺に異常が出て成長ホルモンの分泌が
低下してしまう病気。
本来なら治療可能な病気だが、家が貧しく治療を受けることができなかったために
成長が止まってしまった。
"体調も戻り、大好きなお酒を一杯"
さらにバソリさんが小さい理由はもうひとつある。
実は、今も年々小さくなっているという。
その原因は背骨だった。
正常なものと比較すると、バソリさんの背骨は平べったく潰れている。
なんとバソリさんはかつて身長が1メートルほどあり、
それが骨が潰れたことによって73センチまで縮んだと考えられる。
ホルモンの影響に骨の潰れ。2つの条件が重なり小さくなってしまった可能性がある。
病院へ行った翌日、再びバソリさんのもとを訪ねるとすっかり元気になっていた。
体調もよさそうなので、スタッフは日本から持参したあるものをプレゼントした。
実は今回取材を受ける条件に、日本のウイスキーを持ってきてほしいと言っていたのだ。
スタッフが用意したウイスキーは6本。
その中からバソリさんは、直感で一番高いものをいきなりチョイス!
日本では少しずつ飲むものだと伝えはしたが、
バソリさんは高級ウイスキーを一気飲み。
そして恍惚の表情。プレゼントは気に入ってくれたようだ。
バソリさん、これからもまだまだ元気にいてくださいね。