太った女性のいけない減量法
1983年。アメリカの人気兄妹歌手、カーペンターズの妹カレンが、
拒食症が原因でなくなったのは有名な話。
その死因の一つと言われているのが、ダイエットのために
毎日大量に服用していた下剤だった。
ひとつ間違えると命を失いかねない...危ない使い方が明らかに!
ダイエット目的で下剤を使用
1988年、イギリス。
16歳のルースは体重が95キロあった。
年頃の女の子という事もあり、自分の体重がコンプレックスになっていた。
そんなルース、イギリスで市販されている下剤をダイエット目的で飲み始めた。
すると翌朝、腹に感じたことのない痛みが。
この下剤の効き目は絶大だった。
ところが、しばらくするといつもの腹痛の波が弱くなった。
ならばと、これまでより少し多めに飲んでみた。
すると出た。これで一安心だと思った。
通常の刺激性下剤の場合、服用することによって腸に刺激を与え、ぜんどう運動を促す。
しかし、この時ルースの腸は下剤の作用に慣れてしまったため刺激に鈍感になっていた。
18歳になる頃には通常の10倍の1日20錠の下剤を服用していた。
こんな生活を2年続け、ルースはおよそ25キロやせた。
しかし、その後リバウンドで元どおりに。
そうなると、また下剤の量を増やして痩せる。
これを繰り返し続けた。
その結果、腸はボロボロに
時はたち、薬を飲み始めて17年。
ルースは、まだ下剤を飲み続けていた。
このころの1日の下剤の量は、なんと通常の45倍となる90錠。
そして様々な不調を引き起こしていた。
そのため、一日のほとんどをソファで過ごすようになっていた。
下剤を飲むと腸内の水分が引き寄せられ便と一緒に排出される。
しかし、飲みすぎると水分も大量に排出されすぎてしまう。
そのため、慢性的な脱水症状を引き起こしていた。
ルースには日常的に激しい倦怠感やめまいが。
これは、脱水症状によるものだった。
また、水分と一緒に体内のミネラルも排出されてしまい、不整脈や低血圧、
骨粗しょう症をも引き起こしていた。
下剤の飲みすぎによって刺激に鈍感になった腸は、ほとんど機能していなかった。
しかし、薬が無くなると無性に不安になっていく。
心も、体も、限界だった。
そして、病院に助けを求めた。
そして治療開始から12年経った現在も彼女の腸はまだ治療中。
病院によると完全な回復は難しいのだという。
薬の間違った使い方は時に命とりになる。くれぐれも注意したい。