目から血を流す少女のナゾ
タイに住む、ピマーラットさん(15歳)。
彼女は不思議な症状とたたかっている。
それは...なんと顔や体のいたるところから出血するというのだ...
耳から...そして目から...おでこからも...。実はこれ、ある疾患だという。
「血」と「汗」の「症状」と書いて、「血汗症(けっかんしょう)」。
なんらかの原因で汗腺に血がにじみ出し、出血してしまう病。
世界的にも謎が多く、不思議な病とされているという...。
その血は、もしかしたら「偽物なのでは?」と疑う人もいる。
そこで、仰天ニュースがその瞬間をとらえ、真実を確かめることに。
突然出血する病とは?
やってきたのは、タイ北東部、ラオスとの国境に位置するノンカイ県。
早速少女の自宅を訪ねる。
出迎えてくれたのは、少女の母・ニパポンさん。
案内された先には...黄色いTシャツを着たピマーラットさんがいた。
みんなからはピラーさんと呼ばれている。
本人によると、やはりいつ血が出るか分からないという。
すると、母が動画を見せてくれた。その動画はピラーさんの目から血が出ているものだった。
でも、その血はなんとなく薄いようにも見える...本当に本物なのか?
スタッフはこの日から少女に密着することにした。
2002年に生まれたピラーさん。
幼いときから大きな病気をしたことはなかったという。
異変が起きたのは、2年ほど前のことだった。
月に何度も出るときもあれば、数か月出ない時もある。
ちなみに家族でこの不思議な症状が起きるのは、ピラーさんだけ。
スタッフは泊まりで張り込み。
しかし、出血が確認されないまま、5日が過ぎた...。
密着6日目。
この日、彼女は症状について調べるため病院にいた。
ピラーさんの出血について診察をしている皮膚科の女性医師に話を聞いた。
この病気は血管や神経に問題があると思われているが、世界的にも珍しい症例で、
詳しいことはまだわかっていないという。
血液検査をしたが、彼女の血液自体には大きな異常はなかったという。
ナゾだらけの病、血汗症
するとそれは突然起きた。
ピラーさんの髪の生え際に、何やら赤い液体が...!!
血がにじみ出ていた。しかしやっぱり、色が薄い。
皮膚に傷があるわけではないので、痛みはないという。
さらに、出血はつづき...額に広がってきた!!
この赤い液体は、本当に彼女の血なのか?
本人・家族の許可をもらって、液体を採取し専門機関でその成分を調べてもらった。
そしてあの液体の正体がついに判明!
その結果は...間違いなく、「血液」と判定された。DNAも一致。
つまり、あの時に出た血液は間違いなくピラーさん本人から出たものだと証明された。
さらにスタッフは、日本の医師から驚きの事実を聞いた。
なんと、日本にも血汗症の少女がいた!
その医師によると、その子は6歳の女の子で症例は手のひらだけ。
皮膚の中で何が起こっているか、組織を検査したが原因不明の謎の症状だったという。
まだまだ謎が多く、不思議な疾患とされる血汗症。
昨年11月、難病などを支援するタイ王室の医療プロジェクトにピラーさんが選ばれた。
今後の支援、研究によって解明される日も近いのかもしれない。