殺人クラゲの恐怖
今年5月、鎌倉市の海岸に、青く半透明の物体が大量に打ち上げられた。
この物体の正体は猛毒クラゲ「カツオノエボシ」。
温かい海に生息し、自ら泳ぐことは出来ず海を漂う。
触手に刺されると激痛が走り、呼吸困難やショック死する危険性もある。
そして、世界にはもっと恐ろしいクラゲがいる!
世界最強クラスの毒を持つ殺人クラゲ
2009年、オーストラリア・クイーンズランド州。
キャンプ場で休日を楽しんでいたシャードロウさん一家。
そんな家族に突然、悲劇が起こった。
長女・レイチェルの足に激しい痛みが!
彼女を襲ったものの正体は、直径20cmもある超危険なクラゲだった!
名称は『キロネックスフレッケリ』といい、世界最強クラスの毒を持つといわれている。
クラゲはその触手に『刺胞』と呼ばれる袋を何百億も持っている。
その袋の中には猛毒の入った毒針が仕込まれていて、触手を伸ばし、
獲物に張りつくと刺胞が割れ、中からモリのような毒針を発射して毒素を相手に流しこむ。
刺された後のレイチェルの足は赤黒く変色していた。
だが恐ろしいのはその傷跡だけではない。
体内に入った毒は全身を回り、5~15分で心臓をマヒさせることもある。
すぐに川から出たが、毒が回ったのかレイチェルの呼吸は荒かった。
そして、ようやく足に絡みついた不気味なものに気づいた!
それが危険なクラゲだといち早く気付いた父は、触手に触らないように家族に注意を促した。
実はクラゲの触手は体から切り離されても毒針を発射することができる。
しかも、このクラゲを無理に引っ張ったり、真水で洗うなどすると、
その刺激で毒針が発射され、かえって危険となる。
殺人クラゲに効果的な対処法とは?
実は、このクラゲには有効な、ある調味料を使った対処法が存在する
それは...お酢。
このクラゲの場合、酢は触手から毒針が発射されるのを防ぐ効果があるという。
その為、被害の多いオーストラリアでは、海水浴の時には酢を持つことが勧められ
海岸には酢が置かれている場所も多い。
酢をかけると、レイチェルの体に張り付いて取れなかった触手が外れ始めた。
酢が触手の恐ろしい機能をマヒさせたのだ。
その後病院で治療を受け、3日後には回復。
しかし、足には傷跡が残ってしまった。
ところで『キロネックスフレッケリ』には酢が有効だったが、
日本で見つかったあの「カツオノエボシ」には、なんと酢は逆効果!
むしろ、酢の刺激に反応し刺胞が発射されてしまうという。
刺された時は、海水をかけてすぐに触手を剥がす。
ただしその際は、絶対に素手で行ってはいけない。
海岸でこのクラゲを見ても絶対に触らないように!