健康食品で恐怖の症状
二日酔いを防ぐために飲む、今や飲み会前の定番になった大人気のウコン。
酒のお供だけでなく、生活習慣病・糖尿病の予防、
また美容への効果も期待できると言われ、我々の健康をサポートしてくれる優れた食品。
ただ一方で、体質などによっては非常に危険な場合もある。
仰天スタッフは40代のある男性を取材した。
この男性は健康食品で死にかけたという。一体、何が起きたというのか?
疲れやすい体...試しにウコンを摂取した
2016年10月。
男性は、ある地方都市の会社員だった。
仕事が忙しいのに加え、年のせいもあってかこの時期とても疲れやすく感じていた。
そんな時...インターネットで疲労回復にウコンとうたっているサイトを見つけた。
ウコンはインド原産で、熱帯アジアに広く栽培されるショウガ科の多年草。
香辛料として知られ、別名ターメリックとも呼ばれる。
中国では古くから漢方薬や医療用としても使われている。
ウコンは肝臓に作用し、胆汁の分泌を促し、肝機能が活発になるとされている。
そうなると、溜まった老廃物の処理が促進され疲労回復にも効果があると言われている。
男性は試しに、国産のウコンを少しだけ購入した。
すぐに、効果が出るようなことはなかったが、
男性はその後も、何度かウコンを飲むようになった。
ただ、少ししか買っていなかったので、長く持たせようと量は少なめにしていた。
すると、ウコンを飲み始めて2か月が経った頃。
風邪をひいたのか、体調を崩してしまった。
熱はなかったが、不調がしばらく続いたため、男性は近所の病院の内科へ。
病院でも風邪と診断され安心したが、処方された薬を飲んでも、一向に症状は改善しなかった。
耐えられないほどの、強い倦怠感。
何かがおかしいと感じた男性は、再び近くの病院へ。
すると、看護師が男性の異変に気付いた。
肌や白目部分が黄色く染まっていたのだ。それはまさしく黄疸だった!
ウコンを摂取した体に何が起こったのか?
直ちに血液検査、CT検査で詳しく調べた。
すると、とんでもないことが判明した!
検査項目にAST、ALTというものがある。
これは、肝細胞の中に多く含まれる酵素で、肝細胞が破壊されると、
血中に漏れ出てくるもの。
肝細胞が多く壊れていれば、その分高い数値が出る。
30以下が正常値と言われている中で、男性の数値は、
なんと共に1000を超えていた!
男性は何らかの原因によって肝臓に炎症が起こり、肝細胞が壊れて、
肝機能障害が起きていたのだ。
すぐに大きな病院で入院し、ステロイドで炎症を抑える処置が施された。
幸いにも症状は徐々に回復。大事には至らなかったが、あと少し遅ければ命の危険もあった。
その後、医師が男性の肝炎の原因を調べ始めた。
肝炎の原因は、まず、ウイルス性や、自己免疫性、薬物、アルコールなどが疑われる。
男性はウイルスには感染しておらず、しかも酒は一滴も飲まない人だった。
そのため、医師は男性が服用していた薬を疑った。
そんな時、男性がふと思い当たったのが...あのウコン。
すぐにウコンと男性の肝炎との関係を調べると、驚きの事実が判明する!
なんと、男性はウコンアレルギーだったのだ!
摂取したウコンのなんらかの成分が肝臓で分解される際に、アレルゲンに変化し、
それに対する免疫異常がおこり、肝細胞が大量に破壊されたと考えられた。
「沈黙の臓器」と言われる肝臓は、問題があっても自覚症状が出にくい。
アレルギーに気づかず、ウコンを飲み続けた男性は、
重大な病を引き起こすことになってしまったのだ。
男性はその後、ウコンを口にしないように気をつけ、
それ以来、肝臓にアレルギー症状は出ていないという。
ウコンは、一般的に用法用量を守って摂取すれば、
安全で人間の健康を補助してくれる優れた食品。
しかし、健康診断などで肝臓の数値が悪い人、
肝臓疾患のある人、また体質によっては摂取が危険なことがある。
不安があれば、医師に相談してから摂取し、服用後の血液検査をすることを勧める。