放送内容

2018年9月 4日 ON AIR

医療関係者に多いナゾのアレルギー

愛知県のある病院で看護師として働いていた小寺直美さん。
明るく元気に働いていた彼女だが、
ある日、ゴム手袋を外すと手が赤く腫れていた。


また別の日には、手首に巻いた輪ゴムの下が赤くなっていたため、
勤務先の病院ですぐにアレルギー検査を受けた。


検査の結果、彼女はラテックスアレルギーだった。
ラテックスアレルギーとは、天然ゴム製品に触れることにより、
蕁麻疹や喘息発作などを引き起こすアレルギー。


天然ゴムは、手術用ゴム手袋の他に絆創膏、伸縮性のある包帯、自転車のハンドル、
ビーチサンダルなど様々なものに使われている。


現在は、アレルギーを警戒し天然ゴムの代わりに合成ゴムなどが使用される事が多くなり、
天然ゴムを使用している物には注意書きがされるようになっている。
(手術用のゴム手袋は、現在ではより安全なものに改良されています)


アレルギーが判明して以来、職場では天然ゴムが使われていない手袋を使うようにしていたが、
車椅子の持ち手など、職場のいたるところに天然ゴムが使われていたため、
常に気をつけながら仕事をしていた。


アレルギー症状の原因となったのは?


そんな彼女に事件が起きたのは、手袋の症状が出てから2年後。
仕事が終わって同僚とラーメンを食べに行った時の事だった。


注文をして待っていると、なんだか腕に違和感が。
見てみると蕁麻疹ができていた!


看護師の同僚に心配かけまいと痒みを我慢していたが、同僚もさすがに異変に気付いた。
心配した同僚に連れられすぐに勤務先の病院へ。


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症状を抑えるアドレナリン注射を打つとすぐに蕁麻疹は引いた。
この日はゴム製品に触れていないのに突然全身に蕁麻疹。一体なぜ?
すると医師から、キウイや栗を最近食べていないかという質問が。


たしかに彼女は休憩中モンブランのケーキを食べていた。
そう、原因はケーキに入っていた栗だった。
今回の症状は「ラテックスフルーツ症候群」だと診断された。


ラテックスフルーツ症候群とは、
天然ゴムの樹液によく似た構造のたんぱく質をもつ食品を食べると、
アレルギー症状を引き起こすことを言う。


ラテックスフルーツ症候群が起こりうる食品は、マンゴー、メロン、桃など様々あるが、
中でも栗、バナナ、キウイ、アボカドは発症頻度が高く、重症化しやすいため
注意が必要だという。


ゴム製品に気をつけていても、モンブランで激しい症状を引き起こしてしまった彼女。
ちなみに、当時ラテックスアレルギーは、ゴム手袋に長時間触れる看護師や
歯科医師など医療関係者に多く発症する傾向があった。


実はあの時、小寺さんと一緒にラーメンを食べに行った同僚の彼女も、
ゴム手袋が原因でラテックスアレルギーを発症し、
ある日、甘栗を大量に食べ症状が激しくなっていた!
その時は、呼吸困難にまでなったという!


ラテックスフルーツ症候群の発症確率は高く、ラテックスアレルギー患者の30~50%に起こる可能性があるという。
ラテックスアレルギーを持つ方は栗にはくれぐれもご注意を。

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