放送内容

2018年12月11日 ON AIR

インスタ映えで衝撃の事件

京都に住む田村さん一家。
ことし5月、家族旅行でハワイへ。
楽しいはずの家族旅行で衝撃の事件に巻き込まれた!


一家はハワイで最近話題のインスタスポットへ。
ワイキキから西へ10キロ程の場所にあるカカアコ地区のウォールアートエリア。
街の至る所に多くのアーティストが描いた壁画がある。まさにSNS映えする場所。


カカアコに到着すると、夫は近くの公衆トイレへ。
子どもたちは先にウォールアートを見に向かい、妻も夫に遅れてトイレへ向かった。


妻がトイレに着くと、男子トイレの入り口に先に入っていた夫の靴が置いてあった。
異変を感じた妻が中を覗いた次の瞬間!!首を締め付けられ、気を失った。


妻は一瞬、何が起きたか分からなかったが周りを見渡すとそこには血だらけの夫がいた。
意識はなく全く動かない夫。声をかけると何とか息をしている状態だった。


とにかくここから早く逃げないと...そう思った妻は助けを呼びに外へ。
すると、ホームレスの男性がやってきた。


まさか犯人?ホームレスの男性が何かを言っているが言葉も分からず、パニックになった妻。
しかしその男性は血だらけになった夫の元へ近づいていくと、夫の手当てをしはじめた。


その頃、母親の大声が聞こえようやく異変に気付いた子どもたち。
トイレへ向かうと、なんと自分たちの父が外国人に運ばれているところだった。


現場にたまたま居合わせたハワイに暮らす日本人女性の翔子さんが、
救急車を呼んでくれ、夫婦は病院へ運ばれることとなった。


謎の暴行事件で意識不明に


夫のケガは、顔面の骨が3か所も折れ、皮膚だけでつながっている状態だった。


そんな夫の担当医には、日本人の古田医師がついた。
意識もなく生死をさまよう状態の夫は、ひとまず傷口をふさぐ手術が行われた。


妻は事件のショックにより、海外の病院で治療してもらうことさえ怖かった。
医師には入院するよう言われたがとても病院にいられる状態ではなかったため、
ホテルに戻ることになり、夫には息子がついた。


実は、息子は事件後トイレの中をのぞいていた。
そこには犯人のものなのか、リュックやティッシュが散乱し、注射器が落ちていた。


パスポートや財布など金品は一切盗まれていない。
強盗目的でなければ、一体犯人はなぜ夫婦を襲ったのか?


事件がなければ翌日が帰国予定だったが、とても帰れる状況ではない。
一方、ホテルに戻った妻は暗くなるとトイレの中を思い出し、
とても眠る事などできなかったという。


そんな時、事件の状況を確認したいという日本国総領事館から一本の電話が。 
その後、日本国総領事館からハワイに住む日本人や旅行会社に事件のことが知らされ、
現場に近づかないように告げられた。 


その翌日、夫は意識を取り戻した。


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自分が殴られ襲われた事の記憶はないという。
意識が戻ってくると医師から今後の治療の説明がされた。


まずは折れている頭の骨をつなぐ手術が必要となる。
医師から状況を説明され、夫はある事が頭をよぎった。


高額治療費を避けるため帰国へ


田村さん一家は、ハワイをはじめ海外へは何度も行っていた。
その度に海外旅行保険に入っていたが、一度も必要になったことはなく、
ハワイは安全なイメージを持っていたため、今回は保険に入っていなかったのだ。


治療費は今の時点で300万円。
夫の手術費は900万円はかかると言われた。


その治療費は一体誰が払うのか...と漠然と思いながらも言葉も分からない海外で
手術を受けることが怖くなった夫は、日本に帰国したいと医師に伝えた。


頭の骨が折れている状態で患者の退院は許可できないと医師は言ったが、
夫は安心できる日本にすぐにでも帰りたかった。


こうして、なんと予定通りの便で帰国することに。
ケガが目立たなくなるよう、最小限の治療をして飛行機へ。


気圧が低くなると患部が圧迫され痛みが増す危険があったが、
病院側も本人が嫌がるのを引き止める権限がなく、危険を覚悟で帰国。


しかし、運が悪い事に飛行機が遅延。なんと8時間遅れでの出発になった。
機内では気圧のせいか、あまりの痛さで意識が遠のいていきそうだった。


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こうして、ハワイの病院を出ておよそ17時間後、ようやく京都の病院へ
精密検査を受け、ようやく治療が始まった。


プレートを入れて、骨をつなぐ手術をするのだが、
顔の腫れが酷いので、手術は腫れがひいてから行うことに。


そして、妻は襲われたことや血まみれの夫の姿を見た後遺症で
睡眠導入剤と精神安定剤を飲む日々が続いた。


家族を襲った理不尽な高額治療費


日本帰国から3日後の6月3日...ハワイで犯人が逮捕された。
実は、夫婦を助けてくれたホームレス男性が犯人の顔を覚えており、
警察の事情聴取で証言したのだ。


犯人は、イセア・タモエペアウ、20歳。
ボクシング経験者で、2件の暴行罪で起訴中だった。


この男、薬物漬けの日々だったという。
警察の見解は、男がトイレで薬物を使用している時に運悪く夫婦が入ってしまい
襲われたと考えられた。


顔の腫れが引くのを待っている間、夫は一時帰宅を許された。
その時、ハワイの警察から「犯人を起訴しますか?」と電話があった。
実はハワイでは、このような場合被害者が起訴しなければ男は不起訴になるという。


有罪になって犯人にあの治療費を払ってもらわなければと考えた夫は
ハワイの警察に犯人を起訴するように訴えた。


しかしとんでもない展開になる。
数日後、病院から封筒が...それはハワイの病院からの治療費の請求書だった。 


額面を見て夫婦は驚いた!
そこに書かれてあったのは言われていた額よりも多い。


しかもその後も救急車、治療、入院それぞれの部署からたて続けに請求書が送られてきた。
その額合わせて、なんと800万円!


ただトイレに入っただけなのに。
自分たちは何も悪い事をしていない...まさか、これを自分たちが払うのか?


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旅行会社に問い合わせると、旅行会社が手配していない部分での事件だったため、
何の補償もないと言われた。


その後、CVCCという犯罪被害者のケアをする機関に認可されれば
治療費は免除になる可能性があることがわかり申請するも、すぐには返事がなく、
ただ、途方に暮れるしかなかった。


途方に暮れる家族に救世主が現れる


10日後、顔の腫れもひき、夫の手術が行われた。
おでこと両眼の下、3か所にプレートが入れられた。


術後しばらくは、髄液が鼻から出てくる状態だった。
そして手術から1週間後に退院。日本での治療費は30万円で済んだ。


一刻も早く、裁判が行われ犯人に治療費を払ってもらうか、
またはCVCCの認可を待ったが...ハワイからは全く連絡が来ない。


病院からの支払期限もあり、治らない体で仕事に復帰せざるを得なかった。
つまり自分で何とかしなければいけない状況に陥ってしまった。


そんな時...あの事件の日、現場で助けてくれた日本人女性の翔子さんが連絡をくれた。
なんと彼女はハワイに住む日本人に呼びかけ、募金活動をしてくれていたのだ。


さらに、夫婦でそれぞれ持っていたクレジットカードが、海外保険適用のモノだった。
ゴールドカードだったので、それぞれ200万円、これで合計400万円カバーできる。


そして翔子さんが立ち上げてくれた、クラウドファンディングの募金も順調に増え、
ついに治療費が払える見込みがたったのだ。


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事件から5か月。
夫は、体の方は今まで通り動くようになったが、額には痛々しい傷跡が残る。


顔に埋め込まれたプレートは、一生取れないという。
妻も、暗くなった時の恐怖心は今でも消えていない。


未だにCVCCから認可の連絡はきておらず、裁判も年内に行われる事はないという。
つまり治療費がどうなるか、わからない状態。


夫はこの事件を受け、ハワイは楽園とか楽しい所というイメージはあるが
その半面で、やはり怖い部分もあると語る。


全く安全という場所は世界中どこにもない。

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