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なぜ?男みたいになっていく少女の苦しみ
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去年公開され大ヒットとなったハリウッド映画「グレイテスト・ショーマン」。
19世紀に活躍した興行師バーナムの成功を描く、
実話に基づいたミュージカル映画。
人とは違う容姿で苦しんだ人たちがバーナムによって、コンプレックスを魅力へと変え、
自らの居場所を見つけていく。
この映画の主要人物として描かれているのがヒゲの生えた女性。
そして、彼女のようにヒゲが生えてしまう病に苦しんだ少女がいる。
アメリカ・フロリダに住む、14歳のレネー・シュヴァルツ。
彼女の悩みは、ぽっちゃり体形とニキビ。
そしてさらに、唇の上に濃い産毛。
しかも産毛は毎日少しずつ濃くなる。
誰にも言えずこっそり剃っていたのだが...15歳になるころには頬や首にも。
毎日剃らなければならないほどに濃くなっていった。
怖くなったレネーは、母とかかりつけの病院へ。
医師によると多嚢胞性卵巣症候群という病の可能性があるという。
多嚢胞性卵巣症候群とは、若い女性にしばしば見られる排卵機能障害。
卵胞という卵子を含んだ細胞の集合は卵巣の中で20mmほどに成長すると排卵される。
しかし、卵胞が発育するのに時間がかかり、なかなか排卵されないのがこの疾患。
その原因の1つが男性ホルモン。
肥満型の女性はインスリンというホルモンが強く卵巣に作用することで
卵巣内の男性ホルモン濃度が上がる。すると、うまく排卵できない状態になるのだ。
多嚢胞性卵巣症候群が起こす驚きの症状
さらに男性ホルモンが全身に巡ることで様々な症状が発生する。
その1つが特に欧米人に多いという男性化。
肥満やニキビ、顔や体に毛が生えたり、声が低くなるといった症状が現れる。
この肥満型の場合、痩せるだけで治るケースもあるという。
一方、日本人の場合は少し違う。
日本人の患者は真逆のやせ型が多い。やせ型の女性は脳からLH(黄体化ホルモン)という
ホルモンが過剰に出ることで卵巣内の男性ホルモン濃度が上がるのだ。
レネーの男性化の症状は成長と共に更に進み、
胸にも、腰にも毛が生え始めた。
腕や足は毛深くないのに...なぜ。
友人たちにも秘密にし、レネーはヒゲを剃り続けた。
この生活を変えたい、ありのままの自分で生きたい。
そう思い、30歳の時。
レネーはフロリダから知り合いの全くいないシアトルへ渡った。
そんな彼女、現在は堂々とヒゲを伸ばして生活している。
彼女によると何かきっかけがあって、剃らないと決めたわけではなく、
時間をかけて決断したのだという。
そして、彼女は新婚ホヤホヤだった。
夫はアメリカ海軍に勤めており、フェイスブックで知り合ったそう。
彼女は2013年からヒゲを剃っていない。
ヒゲを生やして外を歩けば心ないことを言われることも多いが、
自分を理解してくれる友人や夫の存在が彼女の大きな支えになっているのだという。