2019年3月19日 ON AIR
小さな命を救った奇跡の灯
2013年4月。ペルー北部のジャングルにある小さな町、ロレト州コンタマナ。
この町に住む、メリータ・ムリエタ・バジェスは女の子を出産した。
しかし赤ちゃんは、羊水を吸い込んでいてうまく呼吸ができず危険な状態だった。
一刻も早く大きな病院へ運ばなければ助からない。
人口2万6000人。陸の孤島ともいえるコンタマナには手術できる医療施設がない。
舗装された道も少なく、車での移動は困難。
したがって、大きな病院まで救急車で搬送したら間に合わない。
飛行機で運ぶしか助かる方法はないのだ。
しかし、この空港は夜間のフライトは出来ない事情があった。
すると全ての事情を知った地元ラジオ局が、街中の人々に空港に集まるよう呼びかけた。
母親と赤ちゃんは、奇跡を信じ救急車で空港へ。
そこで目にしたのは300台以上のバイク...そして一斉に滑走路を照らした!!
実はこの空港には照明設備がなく、夜間の離着陸ができなかったのだ。
それは真っ暗な空港に灯るまさに奇跡の光。
こうして、飛行機で大きな病院へ搬送された一命をとりとめた赤ちゃんは、
エイミーと名付けられた。
小さな命を救ったバイクの光。
この感動の出来事は大きく取り上げられた。
あれから5年。
5歳になったエイミーちゃんは、後遺症もなく元気に成長!
今年から幼稚園に通いはじめ、ダンスが大好きだという。
街の人の善意で助かった命...家族は感謝しながら生きている。
そしてあのプログレソ空港にはその後、夜間でも離着陸できるための
照明が設置されたのだ。
メリータさん親子の出来事がきっかけで人々の暮らしも大きく変わった。