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アスペルガーのアズ直子さん
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ある困難な障害を乗り越えた人がいる。
東京にお住いの直子さん。なつきちゃんという一人娘を育てたママなのだが、
実は彼女、様々な状況に優先順位をつけることが大の苦手。
毎日が混乱の連続でいつも部屋の中はぐちゃぐちゃ。
夫が何度片付けてもすぐに散らかしてしまう。
そして娘が幼稚園に入園すると問題はもっと大きくなる。
この日は娘も楽しみにしていた遠足の日...しかし、直子はお弁当を作っていなかった。
彼女は大慌てでお弁当を作ろうとしたのだが...間に合わず、結局市販のパンを持たせる事に。
一方、直子にはこんな一面も。
ふと気になったシンクのカビ...カビを取り除き始めると、今度は終えることができない。
さらにこんなことも...
お世話になった先生が退園する際、クラスの親たちが寄せ書きをプレゼントしようと企画。
直子にも寄せ書きを書いてほしいと色紙を渡された。
いつまでに書く必要があるか尋ねると、いつでも出来る時で良いと言われた直子。
明確な期限を言われなかったため、
先生が退園する前日になってもその色紙に寄せ書きを書かず、
直子のせいで先生に寄せ書きが渡せなかった。
そんなことが続くうちに、園児の母親たちからも孤立するようになっていった。
そしてそんな母のせいで悲しい思いをするのはいつも娘のなつきだった。
なつきが小学生になる頃、友達の家に遊びに行くと、ある衝撃を受けた。
部屋がとてもきれい。細かい事に気づき頼りになる友達の母親。
自分の家では信じられない事だった。
直子にその事を伝えるなつき。
なぜ自分の母親は違うのか?恥ずかしささえ感じるようになっていた。
直子は娘の言葉に傷ついた。
彼女が抱えていた苦しみの原因とは
そんな時だった、たまたま発明家エジソンの事を調べているとある事に気が付いた。
自分と似ている部分がいくつも見つかったのだ。
エジソンが持っていた特性、それがアスペルガー症候群だった。
すぐに心療内科に行き、医師に自分の症状を事細かく伝えた直子。
すると医師からは「ADHDを持ったアスペルガー症候群」であると診断された。
「ADHD」とは不注意、多動性、衝動性が特徴的な発達障害。
部屋の片付けができず、没頭すると過剰に集中するのはこのことからだった。
さらに彼女が抱えていたのがアスペルガー症候群。
現在では自閉スペクトラム症といわれる発達障害の一種で、
知能の低下はないが、コミュニケーション障害や興味の偏りがみられる先天性の疾患。
初めて生まれ持った発達障害があることを知った直子。
しかしショックはない。むしろ今まで自分を責め続けていた行動の原因が分かった事に
心から安堵していた。
家族にこの事を打ち明ける直子。
夫の英彦は理解してくれた。娘のなつきも最初は戸惑いがあったものの
母の障害を少しずつ受け入れてくれるようになった。
それから9年。
発達障害で苦しんできた直子。
以前は部屋を片付けられずぐちゃぐちゃだったが、今ではきれいな部屋を維持している。
家族のサポートを受けながら、部屋の家具を少なくし、余計な物を置かなくしたのだという。
現在、彼女は発達障害に関する講演活動も行いながら、この障害が広く世間に認知される事を願っている。