扇風機おばさん死の真相に迫る
平成20年、仰天ニュースが紹介したことで日本中に衝撃を与えた韓国人女性、
ハン・ヘギョンさん。
大きな顔に、アンバランスな細い体。
そのフォルムが扇風機に似ていると、彼女は「扇風機おばさん」と呼ばれた。
そんなヘギョンさんが去年12月突然、亡くなった。
まだ57歳...その詳しい死の原因は韓国でも報じられなかったという。
仰天ニュースは韓国へ向かい、ある人を訪ねた。
その人とはヘギョンさんの6歳年上の姉、スオクさんとその旦那さん。
姉夫婦の口から語られた、韓国でも日本でも報じられたことのない
ヘギョンさんの死の真実とは!?
美しさを求め...顔にシリコンを注入
今から28年前...この頃彼女は、歌手を夢見て上野のナイトクラブで働いていた。
しかしデビューは遠く、知らない日本人のお酌をする日々。
やがて彼女は角ばったアゴのせいでデビューできないと思いつめていく。
そして闇医者から、頬にシリコンを注入する違法整形手術を受けた。
その手術に満足すると、何度も闇医者に頼るように...
こうしてシリコン注入を繰り返し、目鼻立ちのスッキリしていた顔は
お月様のように真ん丸な顔になっていった!!
この顔のせいでナイトクラブをクビになったヘギョンさんは韓国へ帰国。
娘の変わり果てた姿を見た家族は、嫌がるヘギョンさんを整形外科へ連れていき、
顔からシリコンを取り出した。
しかし...元通りのサイズになった顔をヘギョンさんは気に入らなかった。
その後、実家を出て一人暮らしを始めた彼女は恐ろしいことを始める。
医者を訪ね、再び整形手術を受けるほどのお金がなかったため
シリコンと注射器だけを買い自分自身で注入するようになっていった。
そして、歪んだ美への思いは彼女の心を蝕んでいく。
「キレイニナリタイカ?」...ヘギョンさんは幻聴に悩み始める。
それは顔にシリコンを入れることで治まった。
やがてシリコンを買う金が尽きると、家の中を物色。
目に留まったのは...調理用油。これを顔に注入し続けた!!
その結果、目鼻立ちのスッキリしていたモデルのような顔は見る影もなくなった。
そんな彼女の姿を、韓国のテレビが報じると、国中が衝撃を受けた。
そして手術費に充ててほしいと寄付が集まった。
さらにテレビ局もバックアップし、彼女の顔面再生手術が始まった。
医師たちは、ほとんど無償で治療を行ったという。
同時に精神科への通院も始め、薬を飲みながら、幻聴も抑えていった。
その後、15回にも及ぶ異物除去手術と形成手術を行い、
整形依存の呪縛も解けていったという。
解けたはずの呪縛、しかし...
顔が見違えるほど小さくなっていたヘギョンさん。
その後、リサイクルセンターを手伝うなど社会復帰も果たした。
平成21年(2009年)には仰天ニュースの取材で来日している。
日本は、シリコンを入れ始めた辛い記憶の場所のはずだが、
彼女は昔を懐かしむように街を歩き、照れながら日本語で歌も披露していた。
一方で、ホテルでは幻聴を抑える薬をこの時も飲んでいた。
平成22年(2010年)の取材を最後に仰天ニュースは彼女と会っていない。
姉のスオクによると、そのあとのヘギョンさんは教会に通い、聖歌を謳うなど
心は安定しているようだったが...
4年ほど前...ヘギョンさんの頬に、できものが化膿したような跡が。
たったそれだけのことだったが、彼女はとても気にしているようだった。
それ以来、ヘギョンさんはふさぎ込むようになってしまった。
姉は心配になり様子を見に行くと...頬が、少しだけ膨らんで見えたという。
そして去年3月。
姉・スオクさんの元にヘギョンさんから電話が...大学病院へ連れて行ってほしいという。
彼女はある日突然、呼吸が苦しくなり聖歌が歌えなくなったのだ。
大学病院で詳しい検査を行ったヘギョンさん。
すると...間質性肺炎の疑いがあるという。
間質性肺炎とは、肺胞の壁に炎症や損傷が起こり
壁が厚くなるため酸素を取り込みにくくなる病気。
発病に至る原因は特定されておらず、効果的な治療法も見つかっていない。
ヘギョンさんはその後入院し、さらに詳しい検査を行った。
すると...前回よりも肺の陰が大きくなっていた。
その時、2人はあることを思い出した。
それはずいぶん前に、顔の異物除去手術を行ってくれた
整形外科医に言われた言葉だった。
外科医によると、顔の異物が内臓に影響を与えることもあるという。
その話と、また膨らみ始めたように見えた顔...姉は嫌な予感がした。
顔の異物と病の関連性とは
姉がヘギョンさんに尋ねると、
やはり...彼女はまた、異物を顔に注入していた。
顔の異物が肺に影響を与えることについて日本の医師に聞くと、
一つの可能性としてヒトアジェバンド病が考えられるという。
ヒトアジュバンド病とは、かつての豊胸手術などのように
シリコンなどを体内に直接注入することで免疫に異常をきたす病気。
その症状のひとつとして間質性肺炎がある。
もしヘギョンの肺炎の原因がヒトアジュバンド病だったなら、
その治療法は、全ての異物を体内からとりだすしかなく、それはもはや不可能だった。
そして去年12月15日...ヘギョンさんは亡くなった。
姉夫婦は、ヘギョンさんが最後に暮らしていたアパートへ案内してくれた。
ここで8万円ほどの年金で生活していたというヘギョンさん。
まだ遺品の全ては整理できていない。
そして、衝撃的なものを見せてくれた。
スオクさんが持ってきたのは小さな段ボール。
その中には...大量の注射器。
さらに彼女の部屋からは大量のグリセリンも見つかった。
そのグリセリンが置いてあった洗面所には鏡があった。
美しさに呪われた女性、ヘギョンさん。
仰天ニュースはご冥福をお祈りします。