気持ち悪くなるのが恐怖の女性
大阪に住む30歳のユアさんは、ひどくつらい恐怖症に悩んでいる。
彼女はその恐怖症のせいで...咳き込む人が怖くなり、ある場所にも近づけなくなった。
それは...居酒屋。
さらに...逃げ場のないバスや電車には、乗っていることが出来ない。
彼女が恐れていたものとは...「吐き気」だった。
嘔吐を「人に見られてしまったらどうしよう」という想像から、異常な恐怖心を抱き、
そのせいで、生活に大きな支障が出る病気。
過去に人前で吐いてしまった経験などがトラウマとなり、過度な緊張状態となる。
その緊張が吐き気を引き起こし、その吐き気によってさらに不安になる。
悪循環になっていた。
この恐怖症に悩む人は多く、仰天ニュースにも数多く寄せられている。
しかし、認知度はまだ低く、理解されずに苦しんでいる人も。
彼女がその恐怖を感じ始めたのは、高校生の時だった。
学校から家に帰ると...吐き気が。
体調は悪化し、病院へ。診察を待っている間も吐き気は治まらない。
女性は心の中でこう思った...「こんなところで吐いたら、周りの人に迷惑かけちゃう」
そんな不安が心を支配した。
診断結果は、胃腸炎。
しかし...なぜか吐くことに異常な抵抗を感じた。
母のつらそうな姿がきっかけだった
彼女の場合、幼少期のある記憶に原因があった。
それは母が一時期、体調を崩していた時のこと。
夜になると...母が吐く姿を目の当たりにする。
彼女はこの時、「お母さんが死んじゃう...」と恐ろしくなった。
この母の苦しそうな様子が少女のトラウマとなり、「嘔吐」が「怖いもの」として、
潜在意識に残ってしまった。
やがて嘔吐に対する異常な恐怖心が、様々な場面で勝手な連想をしていく。
彼女にとっては、冬が恐怖。
もし自分が感染症にかかって吐き気をもよおすことを考えると...怖くて仕方なかった。
嘔吐恐怖症の人達にとって、毎日の生活は恐怖をあおるもので溢れている。
人前で吐いてしまう恐怖心から、みんなと食事をとることができず、
吐き気にとらわれ、食事をまともにとれなくなる人も。
彼女は27歳で、ある男性と結婚。
彼には嘔吐恐怖症のことも打ち明けた。
しかし彼女には、ある不安が。
それは妊娠...。彼女の脳裏に浮かぶのは、つわりだった。
だが、彼との子は諦めたくない...彼女はある決断をする。
2017年、彼女はつわりの恐怖を乗り越え、長男を出産。
家族のために、彼女は恐怖症を克服しようしている。