鳥取連続不審死事件
事件を起こしたのは上田美由紀(現在45歳)
その判決は...死刑。
当時、上田の周りで6人もの男性が不審な死を遂げ、そのうち2件が上田による殺人と認定された連続殺人事件。
何人もの男性たちを巧みに操っていた上田。
男性達はなぜこの女に溺れ、騙され信じたのか?
他人を翻弄する上田の手口の1つ、それが気遣いの手紙だった。
1973年、鳥取県倉吉市で生まれた上田はどちらかと言うと目立たないタイプ。
だが文集に趣味は「あばれること」と書いていた。
そんな上田は若くして結婚・離婚を繰り返し、5人の子を抱えて生活。
仕事はカラオケスナックのホステス。
どちらかというと太めの体形で美人とは言えない。
だが、そんな上田になぜか男性たちは惹かれた。
その訳は...彼女の独特なアプローチにあった。
上田はとても聞き上手だった。そして男性の心のスキに入り込み、ハートを掴むのが天才的にうまかったのだ。
時にはプレゼントで気を引き...仲が良くなると1日に何十回もメールや電話。
さらに、手紙を何通も送る。
そんな手紙には...細やかな気持ちを綴った文面が。
親密な男性には「好きだ」「愛している」といいながら、試すように男心を揺さぶっていく。
さらに、60代の男性には体を気遣う言葉も並ぶ。
やさしい女性...そう印象づけると、次の段階へ。
それは、入院費や借金など、お金に困っている健気で不幸な女を演じること。
こうして男性たちは上田に金を渡したのだ。
追い詰められ、殺人に手を染める
そんな中、ある男性と出会った。
彼には妻子もいたが、上田は深い関係になり、信じられない方法で金をむしり取る。
ある日、上田は彼に妹を紹介するといい、電話で話しをさせた。
彼と電話で会話をしたのは上田の妹だというアケミ。
もちろん妹・アケミは上田が演じる架空の人物。全てがウソ。
やがて...そのアケミから姉が妊娠をしたという連絡が。
彼はすぐに上田本人に確認したが、本当だと告げ信じさせた。
それからというもの、妹アケミから男性のもとへ頻繁に連絡が来るようになり、
巧みに男性を追い込んでいった。
やがて彼は上田に養育費を払うことを提案。
これをきっかけに上田は激しく金銭を要求するようになり、借金までして1千万円以上も渡すようになっていた。
一方で同じ時期、上田には他にも交際していた男性が...。
男性はトラック運転手、この男性からも金をだまし取っていた。
だが、問題が起きる...トラック運転手は以前渡したお金を返金するよう迫った。
返す金などない...上田は追い詰められた。
そして...2009年4月4日、上田はトラック運転手を誘い出し、海へ。
1週間後...トラック運転手は遺体で発見された。
上田美由紀の犯行だった。
そして次に上田のターゲットとなったのが、電器店を営む男性だった。
上田はこの店で大量に家電製品を購入し、金も払わず転売していた。
やがて催促を受け...追い詰められた上田は、この男性も殺害したのだ。
2010年1月、上田美由紀を殺人容疑で逮捕。
そして2017年7月...死刑が確定した。
何人もの男性を騙し、短絡的な殺人を繰り返したとされる女・上田美由紀。
報道記者が獄中の彼女とやり取りした手紙にもこれまで騙してきた男性たちのように巧みな言葉がつづられていたという。