放送内容

2019年10月 8日 ON AIR

半熟卵で地獄を見た家族!

近年、密かなブームとなっているキャンピングカー。
従来の大型車だけでなく、特にシニアには2人旅がしやすく、維持費の安い軽のワゴンやミニバンをベースにしたものが人気を集めている。


その魅力にハマる人は年々増加している。
東京・江戸川区に住む岩田一成さんもその一人。


毎年のように、家族でキャンピングカーでの旅をしている。
9年前、その旅先で地獄を見た。
この家族を襲った恐ろしい出来事とは...。


2010年、夏。
岩田さん一家は、東北にいた。


家族の時間を大切にしたいと始めたキャンプ旅も今年で5回目。
東京を出発し、まずは岩手県へ。道の駅やサービスエリアで車中泊をしながら北へ進んだ。


青森では大間で海鮮丼を食べ、宿泊は小川原湖ふれあい村オートキャンプ場。
そこでもまた刺身を食べた一家、毎日食べて遊ぶ楽しい旅。


そして、秋田にあるオートキャンプ場へ。
その直前、昼食をとった。


12日間にも及ぶ東北旅もここ秋田で終わり。
家族の絆も深まる実りの多い旅。
夜ごはんには母が作ったパスタを食べ、幸せな一家団欒。しかしこの後事件は起こる。


そろそろ寝ようかという頃...岩田さんを強烈な腹痛と吐き気が襲った。
さっきまでなんともなかったのに、突然おかしくなった。


なんとかトイレから出たものの、激しい腹痛は続く!
食中毒とも思ったが...子どもたちに異変はない。


本当はすぐにでも病院に行きたかったが、妻は運転免許を持っていない。
かと言って、自分も運転できる状態ではなかった。


しかし、5分とトイレをガマン出来ない。
なんと、6時間にわたり嘔吐と下痢が続いた。


既に午前3時...もう限界だった。
子どもたちは寝ているので、妻を残したまま岩田さんは救急車で1人病院へ向かった。


妻と娘も食中毒に


脱水症状に加え、39度の高熱。すぐに処置が施された。
診断の結果は急性胃腸炎。


医師からは入院をすすめられたが、岩田さんは家族がキャンプ場にいるからと戻ることに。
自分はこんなに辛いのに...家族は本当に大丈夫なのか?
すぐに、タクシーでキャンプ場に戻った。


妻は、少し具合が悪そうだが、元気そうな娘を見て一安心。
ところが...妻の症状が悪化した。
さらに娘まで...これは食中毒に違いない。


しかし、気になることが。
同じものを食べてきたはずなのに、息子には全く症状が出なかった。
今度は家族全員で病院へ。


岩田さんと妻、娘は数日間、入院することになった。
検査の結果、急性胃腸炎の原因はやはり食中毒だった。


中でも娘の症状は特にひどく、高熱で一時、意識不明に。
集中治療室に入らなければならないほどの状態だった。


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一方、なぜか2歳の息子は元気なまま。
数日間の入院で娘も回復したのだがそれにしても一体、何が原因だったのか?
それが分かったのは、検査結果を聞いた時だった。


体内からサルモネラ菌が検出されたのだ。
サルモネラ菌とは、少量でも食中毒を引き起こす危険な細菌。
牛、豚、鶏の腸内に生息するため主に食肉や卵に含まれることが多い。


医師の説明を聞いてピンと来た。
「横手やきそばに乗っていた卵かもしれない」


息子だけ症状が出なかった理由とは


秋田のキャンプ場に到着する直前、昼食に秋田名物・横手やきそばを食べていた岩田さん一家。
横手やきそばと言えば、B級グルメの大会B-1グランプリで優勝したこともある、日本3大焼きそばの1つ。


上に目玉焼きが乗っている事が多く、それを崩して食べるとウマイのだが...息子は卵が苦手で麺だけを食べていた。
この時の卵にサルモネラ菌が混入していたと考えられた。


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鶏が産んだ卵には、もともと菌が入っているか、もしくは外側に付着していることがごく稀にあるという。


では日本では、どのくらいの確率でサルモネラ菌がついた卵が生まれるのか。
洗浄していない産みたての卵を調べた。すると...結果はゼロ。


それもそのはず...日本の養鶏場の衛生状態が良くなっているため、今ではほとんどサルモネラ菌は検出されないという。
ゆえに、日本の卵は産卵から14日以内の場合、生で食べられるほど安全。


岩田さん一家の場合は、お店での卵の取り扱い方が悪くて食中毒になった可能性がある。


実は、卵を保管する際には絶対にやってはいけないことが2つあるという。


1つ目は、割れた卵をよく加熱せずに食べてしまうこと。
ごく小さな隙間からでも菌が入り込んでしまう恐れがある。


そして2つ目は...濡れた状態で保管すること。
卵が濡れていると殻に無数にある空気穴から菌が入り込んでしまう事がある。


あれから9年...岩田さん一家を訪ねた。
2人の子どもたちはすっかり大きく成長していた。


決して横手やきそばが悪いわけではない。卵の扱いには、気をつけたほうがいい。

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