亡くなった姉のために皆勤賞
アメリカ、ジョージア州ブランズウィック。
この街に生まれた、アレックス・クンダくん。
どこにでもいそうな少年だが...実は、心に強く決めていることがあった。
それは、小学校から高校卒業まで学校を一度も休まないという事。
小学校に上がる前から絶対に休まないと決めていたアレックスは、早退や遅刻もなかった。
アレックスが住む地域では、学校を休まず、早退も遅刻もなければ、その年の皆勤賞がもらえる。
アレックスはそれを高校卒業までの13年間やろうとしていたのだ。
実はそれは、とてつもなく困難な事。
アメリカでは、他人にうつす病気の疑いがある場合、
本人に登校の意思があっても学校側に拒否されることがあるのだ。
学校を休まないためには毎日規則正しい生活を心がけ健康管理が重要となる。
そんな息子の様子に両親は心配をしていたが...アレックスは頑なだった。
一体なぜそんなにも頑張るのか?それは、胸に秘めたある思いがあったから。
アレックスがまだ小学校に通い始める前、少年には3歳上の姉・ミランダがいた。
2人はいつも一緒で、まるで親友のような関係。
面倒見のいい明るい姉だった。
当時、小学生になったばかりの姉・ミランダは、学校が大好き。
そんな姉の姿を見てアレックスも学校に行きたいと思っていた。
だが、まだアレックスは小学校に通う年ではない。
姉のミランダは大きくなったら一緒に学校に行こうと約束してくれた。
そんな時ある出来事が...。ミランダは腹痛を訴えるようになった。
さらに、体が痒いという。
そこで、病院へ行き検査を受けると衝撃の事実が告げられた。
ミランダは、自己免疫性肝炎という難病だった。
本来菌などの異物に対抗し、体を守っている「免疫システム」。
しかしそれが何らかの形でエラーを起こし、
自分自身の肝臓を攻撃し続けてしまうことがある。
それが、自己免疫性肝炎。
ミランダは薬を飲んで病気と闘いながら、大好きな学校は一度も休まなかった。
しかし、事態は急変する。ある夜、突然ミランダが苦しみだしたのだ。
両親は急いで救急車を呼んだが、そのままミランダは帰らぬ人に。
医師も想定外の急変だった。
まだ小学1年生。短い生涯だった。
いつも隣にいたミランダが突然いなくなり、アレックスは一人ぼっちに。
そんなある日。ミランダが通っていた小学校の修了式にアレックスが招かれた。
亡くなるまで学校に通い続けたミランダに皆勤賞が贈られたのだ。
すると当時4歳のアレックスが突然、こんなことを言った。
アレックス「これからずっと皆勤賞取る!ミランダの代わりにずっと学校に行く!」
それは、もっともっと学校に通いたかったミランダのその思いを受け継ぎたい...と考えたからだった。
こうして、アレックスの皆勤賞への挑戦が始まった。
最大のピンチ!切り抜けた方法とは?
アレックスは、小学校の6年間と中学校の3年間を、病気や事故などもなく見事に皆勤賞を取り続けた。
亡き姉との約束を守るため、必死に頑張った!
果して、その約束は達成することができたのか?
仰天ニュースは、今年高校を卒業しているはずの本人のもとへ向かった。
迎えてくれたのは現在17歳になったアレックス。
その後、皆勤賞はもらえたのか?
5月に行われた高校の卒業式の映像を見せてもらった。
その映像の中で校長は13年間1度も休まなかったアレックスをたたえ、会場は大拍手!!
姉との約束を守りきった瞬間だった。
亡き姉と密かに交わした約束を守った13年間。
きっと天国のミランダにも届いているだろう。