往路
- 流れを決める1区流れをつかむ上で重要な区間。1区での出遅れは致命的となるため、序盤から慎重な駆け引きが展開される。中盤までにペースを上げ隊列を大きく崩す年と、集団で牽制が続く年が五分五分の割合。集団のまま進んだ展開でも17キロ過ぎの六郷橋で勝負の鐘が鳴り、ラストのスプリント勝負は壮絶を極める。98回大会では、吉居大和(中央大)が序盤から飛び出し、衝撃の区間新記録を樹立した。
- エースが集う花の2区各校のエースが集う花の2区と謳われる区間。距離が長い上、13キロからの「権太坂」、ラスト3キロの連続する上り坂「戸塚の壁」、後半に2箇所の山場が控える。まさに精神力、体力、勝負勘、全てが求められ、ここから多くの名ランナーが世界へと羽ばたいた。また駅伝の醍醐味である「ごぼう抜き」にも期待。20チーム参加大会では17人抜き(村澤明伸/東海大)が最多、23チーム参加大会だと20人抜き(ダニエル/日本大)が最多となっている。
- 街から海へ3区往路で最も気温差がある区間。前半10キロは遊行寺坂など海への下りが続く。浜須賀を曲がると海岸沿いの国道134号へ。左手に相模湾、正面に富士山を望む、箱根駅伝の中で一番の景勝地。89回大会の海風は強烈で砂防林の切れ目や17キロ過ぎの湘南大橋などで風の影響を大きく受けた。かつては"つなぎの区間"と呼ばれていた時代もあったが、近年は戦略的にエース級の選手を投入するチームが増えている。
- 海から山へ4区ポイントは、10本ある橋による細かいアップダウン。小さな疲労の積み重ね、さらに後半の箱根からの冷たい風が、終盤の伸びを失わせることもある。箱根登山鉄道ガードからの残り1キロは、中継所直前のランナーの前に壁のように立ちふさがる上り坂。レースの行方を大きく左右する重要な区間、各校の戦略が問われる。
- 山上りの5区「天下の険」箱根の山を一気に駆けのぼり、国道1号線最高地点(874m)からのラスト4.5キロは逆に下るという難コース。風光明媚な景色とは裏腹に、突風や雪、凍結した路面…厳しい自然条件が選手たちを苦しめる箱根駅伝の看板区間。気象条件によっては低体温症などによるブレーキにも注意が必要。この区間の走り次第で大きなタイム差がつく。100回大会では、山本唯翔(城西大学)が自身の持つ区間記録を更新した。