「ハコヅメ」“町山交番”が見られるのもあと3回!セットの秘密とは? 美術デザイナーにインタビュー
明日9月1日(水)よる10時〜 第7話が放送となる日本テレビ系水曜ドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」。
このドラマのシンボルでもある、藤(戸田恵梨香)、川合(永野芽郁)、ハコ長・伊賀崎(ムロツヨシ)が働く“町山交番”。一見どこにでもありそうなあの交番、実は生田スタジオの敷地内に建てられた美術セット。最終回まで残り3回で見納めとなる“町山交番”について、担当美術デザイナー 樫山智恵子さんを直撃!
▼“町山交番”はどこにある?
生田スタジオの中に作りました。いわゆる“オープンセット”と言います。交番はこの話のメインなので、監督と、まずは交番をどうしよう、ということで、台本を読んで打ち合わせをして、こちらからもいろいろ提案をさせていただきながら、交番内の装飾も含めてイチから作っていきました。
▼リアルな交番内
最初は監督から「明るい感じにしたい」ということだったので、机の上の飾りなども考えていたんですが、監修の方に伺ったところ、机の上には何も置かない、と。私物はもちろん、パソコンも使い終わったら引き出しの中にしまうそうなんです。なので、思っていたよりもシンプルにはなりましたが、窓を多めにして明るくしたり、背景の掲示物にもこだわったり、よりリアルな交番の空気感を感じていただけるようになったと思います。
▼指名手配犯はスタッフ!?
掲示物もすべて作ってるんですよ。指名手配犯はドラマスタッフさんに写真を撮らせてもらって(笑)。交番によくあるちょいダサなポスターもいろいろ貼ってます。「町山君」というキャラクターは、顔に「町山」と入っている独特なデザインですが、監督の意見がふんだんに盛り込まれてます。オリジナルグッズにもなってますが、飾りの面でもいろいろと活躍してくれてますね。
▼こだわったのは“近所にありそうな雰囲気”
交番の外観をどうしようと思ったとき、ドラマ的にはオシャレなほうがよかったりするかもしれないんですが、このドラマにおいては、どこにでもある感じにしたいなと。オシャレでもない、近所にありそうな雰囲気の交番にしたいという点にこだわりました。
▼警察官がより身近に
このドラマをやり始めてからは、もう交番はクセで見ちゃいますね(笑)。警察官の方を見るとがんばってるなあと思って見ちゃいますし、女性警察官は特に思います。
▼“むさくるしい”刑事課に意外な工夫
刑事課はむさくるしい感じを出したくて、実は天井を低めにしたんです。特に刑事課は役者さんたちの背が高くていつも天井が見切れているので、狭苦しい感じに見えているのではないかと思います。逆に取調室は冷たい感じにしたくて無機質な内装にこだわりました。原作の泰三子先生が刑事課を見学に来てくださったんですが、「懐かしい」とおっしゃってくださって。本当によかったです。
▼川合の部屋と藤の部屋の対比
川合ちゃんのお部屋にはいろんな色がありますよね。そこは彼女の明るいキャラクターを反映させています。マンガ好きというキャラだったので、ドラマにも『ツンデレ先輩と甘えん坊幼馴染のアゴクイ大戦争』というマンガが出てきましたが、本棚にはズラッと恋愛マンガが並んでいたり(笑)。逆に藤さんは大人っぽい部屋になっているので、2人の対比を感じていただけると思います。
▼「みんなこれからも活躍するんだろうな」
美術担当としては、視聴者の方にセットと思われたくないという気持ちがあるのですが、特にこのドラマにおいては、ドラマの役者さんたちの邪魔にならないセットを作りたいと思っています。このドラマの主人公は藤と川合の2人ですが、いろんな登場人物がそれぞれ主人公みたいな感じがするドラマだと思うんです、群像劇だなと。9話で終わってしまうんですが、みんなこれからも活躍するんだろうなって思えるドラマになっているんじゃないかなと。そう感じさせてくれるところがこのドラマのとても気に入っているところです。
最終回まで残り3回、この町山交番を舞台にどんな物語が繰り広げられるのか?水曜ドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」第7話は、9月1日(水)よる10時から放送。