花咲舞(今田美桜)と相馬健(山本耕史)は、臨店先の府中支店で舞の元カレ平井勇磨(前野朋哉)と鉢合わせる。平井は父の会社を継いだ若き経営者。そんな平井の傍には、東京第一銀行から出向して平井エンジニアリングの役員になった助川信次(山西惇)の姿が。かつて部下だった相馬は、久々の再会に表情を曇らせた。
一方、昇仙峡玲子(菊地凛子)と紀本平八経営企画部長(要潤)は4大メガバンクの勢力地図を見据えて話していた。現在第3位に甘んじている東京第一銀行を第1位に返り咲かせる、ある計画の成功の為にも臨店班が暴き出す不正を隠蔽する必要があると…。
その日の夜、平井は舞たちに相談する為に花さきを訪れた。意外な元カレ登場に驚きを隠せない花咲健(上川隆也)。平井の話では助川に会社を乗っ取られそうなのだが、業績もイマイチな会社を乗っ取ってどうするつもりなのか、真意がわからないという。それを聞いた相馬は、「助川さんが損するようなことをするとは思えない、何か理由があるはずです」と、連休中に平井の会社に調査に行くことに。普段はやる気のない相馬が、臨店の仕事でもない問題を休日返上で調べようとしている姿を舞は不思議に思うが……。
連休になり、舞と相馬が平井エンジニアリングを訪れると、会社の宣伝部長として活躍する看板犬のイチローと平井が2人を出迎えた。事務所で舞と相馬が帳簿や書類をチェックするうちに、この1年の間に2千万円分の経費の領収書がなくなっていることが判明!領収書が欠落し始めた時期と、経理課長だった菊池一男(中野剛)が工場のラインに異動した時期が重なっていることに気づいた舞は菊池に話を聞くことに。助川から強引に異動を命じられ、今は退職を考えていると語る菊池に、平井は会社を良くするため力を貸して欲しいと願い出るが、「助川がいる限り、この会社は変わらない」と突き放されてしまう。それでも諦めきれずに食い下がる舞。すると菊池はあるヒントをくれて……。
以下、ネタバレを含みます。
そのヒント「犬に聞いてみろ」の意味を考えながら調査するうちに、舞と相馬は、松坂牛の領収書が雑費で計上されているのを発見。助川がイチローの食事代と偽って不正に計上したのではないか!?と考えた舞と相馬は翌朝、助川の部下で経理担当の多田野肇(阿部翔平)を問い詰めた。助川をかばおうとする多田野を説得するため、相馬は「助川さんは手柄は自分のもの、責任は部下のせいにする人です」と部下だった頃のことを語る。
10年前、相馬が担当していた融資先が倒産した。助川が勧めた投資に失敗したのが原因だったのだが、相馬はその責任を押し付けられて……。今回も不正が明るみに出れば、助川は多田野に責任を押し付けるかもしれない。相馬がそう告げると、多田野は助川の指示で不正を行っていたことを認めた。しかし証拠となる領収書の所在はわからない。
そんな中、平井エンジニアリングで臨時取締役会が行われることに。決定的な証拠が出てこなければ平井は社長を解任されてしまうと知った舞と相馬は、会議が始まっても諦めずに証拠を探し続けるうちに、思いがけない書類を発見してしまい……。
舞と相馬は会議室に乗り込み、助川に不正の件を問い詰める。すると予想通り、助川は多田野に罪を押し付けようとする。その姿を見た相馬は「またご自身のしたことを部下に押し付けるおつもりですか?」と尋ね、助川の部屋から見つけ出したM&A契約書のドラフトを掲げる。会社を手に入れた後、他の企業に特許ごと売却しようとしていたのだろう。という相馬の言葉で真実を知った役員たちは、その場で助川を解任。平井は社長を続けられることになった。
後日、助川の問題を解決した相馬は、「10年前のリベンジができたよ」とかつての親友、川野直秀(平原テツ)の墓に花をたむけた。すると、そこに花を持った昇仙峡が現れて——