日本テレビ放送網株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長執行役員:杉山美邦、以下日本テレビ)は、(公財)放送文化基金にて、第48回放送文化基金賞を受賞致しました。「個人・グループ部門」-放送技術-では昨年に続き2年連続での受賞となります。
この賞は毎年、放送に関連する技術の研究・開発、あるいは放送現場での工夫・考案で効果を上げた技術により、顕著な業績を残した個人またはグループを対象に授与されるものです。
日本テレビでは、今後も積極的な新技術の導入により、皆様へ魅力的なコンテンツをお届けできるよう更なる開発を進めてまいります。
■受賞テーマ:
AI業務支援システム「エイディ」の社内開発と運用
社内開発したAI業務支援システム「エイディ」は日本テレビの番組制作や事前準備等、様々なシーンで既に活用されております。AIを活用した業務支援システムを社内開発、AI学習に必要な事前の準備作業時間の大幅な短縮を図り、スポーツコーダ運用(競技スコアのCG表示)および映像監視の一部無人化、これまでは実現できなかった生放送における背面CG合成など、番組制作から送出業務までの幅広い現場の課題を社内要員だけで短時間かつ低コストで次々と解決していることが高く評価され受賞に至りました。今後も放送現場の抱える課題を次々と解決することが期待されています。
主な特徴
①番組制作・準備作業の効率化と高度化
・「英語テロップの自動日本語変換」、「競技スコアの自動入力」など番組中のCGオペレーションの自動化を実現しました。
・一部コンテンツの映像監視を自動化し、より安定した視聴者へのコンテンツ提供を実現しました。
・モザイク処理の自動化による効率的なコンテンツ制作を実現しました。
・CGトラッキング表現のリアルタイム処理を可能とし、生放送での表現を実現しました。
②生放送における新しいCG合成手法を実現
・グリーンバック等設置できない環境でも背景CGの合成を可能にしました。
・距離推定と組み合わせることで、物体の前後だけでなく、物体と物体の間にもCG合成が可能となりました。
③AI学習準備作業における工夫
・学習用「架空画像の生成」や「ラベリング作業の自動化」により、膨大な時間を要する学習の準備作業を省略し、現場でAIがより気軽に活用できる環境を構築しました。
●受賞者のコメント
★起案/開発/運用 篠田貴之(技術統括局 デジタルコンテンツ制作部、2018年にもAI開発テーマで同賞受賞)
最初は一人での開発から始まりましたが、今では多くの仲間と活用を進めています。技術者のみならず、多数の番組制作者も、現場の業務効率化や新しい番組表現の追求に対して積極的であり、数多くの展開実績が生まれたことで、今回の受賞につながったと考えております。今後も視聴者の皆様に魅力的なコンテンツをお届けできるよう更なる発展に向け、精進してまいります。
~過去の放送文化基金賞【個人・グループ部門】 -放送技術- 受賞歴~
※()内:受賞時の年度で記載しております
●第47回 放送同時配信を実現するクラウドプレイアウトシステムの開発
(2021年度) (共同開発)株式会社PLAY
●第45回 テレビ局におけるアンドロイドアナウンサー「アオイエリカ」の開発と活用
(2019年度) アオイエリカプロジェクト
●第44回 ロードレース中継における画像認識技術を用いた制作支援~AIを用いたReal-time Indexing~
(2018年度) 画像認識AI検討チーム(日本テレビ放送網、東芝、東芝デジタルソリューションズ)
●第41回 デジタル連絡無線音声改善技術の開発
(2015年度) 放送事業用連絡無線音声改善技術開発グループ
<以降省略>
以上
日本テレビ放送網株式会社 社長室 広報部