第478回日本テレビ放送番組審議会は、5月6日に放送された『世界を変えるテレビ』に関しての合評を行いました。
『世界を変えるテレビ』は、今年で2年目を迎えるキャンペーン「7daysチャレンジTV」の最終日に放送された番組で、身の回りの状況を変えるために勇気をもって一歩を踏み出した子供たちを取り上げ、「誰でも勇気を出せば、世界は意外に簡単に変えられるかもしれない」というメッセージを送る番組です。
- 日本の子供たちの事例が一つでも混じっていれば、自分たちにもできるんじゃないかと、親しみをより強く覚えたのではないかと思う。コメントする側にも子供がいてもよいのではないかと思った。
- インターネットを使い、ブログという現代的なメディアは現実を動かす有効なツールだと改めて認識した。単純に自分たちの不満を改善させるだけではなく、そこから始まっていろいろ気が付き、より多くの世界を見るきっかけになったことが素晴らしいと思った。
- 池上リポートが引き締まっていた。全体として、柔らかいシーンもあったが、内容が濃くて、引き締まっているという感じがあった。子供たちの知恵とか勇気とか、優しさとか、未来を切り開いていく様子に心を打たれた。
- 取り扱うテーマが、いじめや難病、貧困、スポーツなど考えさせられることが多かった。目的を持った子供に賛同してくれる人がいれば寄付を集めることができるというのは、寄付文化が根付いている海外と日本の大きな違いだと思う。すごく教育的な番組でよかったと思う。
- 日本の子供たちは、こういう発想をしたり、行動が出来る状況に置かれていない。パソコンなどにしても、ポジティブに使うというより、ネガティブに何かするのを避けるのが日本の教育スタイル。親も口出しはせずにサポートしている点が日本と違い、教育の場になっている。
- 子どもは発火点が低く、火がつきやすいので、こういう番組を見ると、自分も何かできるのではないか、何かをやろうという気持ちで燃えると思うので、丁寧に良い番組を作ってもらいたい。
- 子どもだけでなく、若い人の力が社会を変えていく時代になるように、番組がそういう仕組みを定着させる一つの原動力になってほしいと思う。
- フィリピンのスラム街のように、かっぱらいが当たり前の場所では「教育は盗まれない財産」という言葉に非常に重みがある。教育は身について離れないというのは非常に良い言葉で、道徳の教科書に載せたいくらいだと思う。
この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。
「日本の事例がなかったことに関しては、日本の子供たちが頑張った事例を探したが、小さな良い話はたくさん出てくるものの、みんなが賛同しムーブメントになる事例が、なかなか見つからなかった。文化や精神性が違うにしても、まずは大人がきちんと行動を示して、子供たちに良い影響を与える番組作りを目指したい。」