一方
そんな中、楓を刺したという男・
翌日、拓は神津の接見へ。何気ない会話の中に11年前の事件との関係をわざと匂わせるような神津の態度に緊張を高める拓。かつて東央大学の学生課で働いていたと話す神津は、立会いの警察官が席を外した隙を狙って、今回の2件と11年前の事件の被害者は全て自分が殺したと拓に囁く……!!
証拠がないため、真犯人を前に何もできないことに苛立つ拓は、
拓は地裁に対し、証拠品の開示と再審請求を行う。聡子の尽力で過去の事件が再びマスコミでも取り上げられ真実に近づいた矢先、東京地検が嫌がらせとしか思えない言いがかりを付け、事務所に捜索差押に押しかける。さらに再審請求は棄却、吸殻の証拠品も該当する物がなかったという通知が届く。拓は一連の検察の嫌がらせの背後に父親・
捜索差押によって資料を持ち去られ開店休業状態になった事務所に戻った二人を待っていたのはズラリと揃った同僚たち。これまで冤罪にこだわる拓に否定的だった別府は、検察の横暴に屈せず冤罪を晴らして事務所の正当性を明らかにすることで責任を取れと拓に話す。刑事事件は嫌いだと言いながらも、11年前の事件がきっかけで亡くなった兄の無念を晴らしたいという気持ちを持ち続けていた別府を筆頭に、事務所のメンバーたちは一丸となって冤罪を晴らすべく立ち上がる。
事務所総出で証拠探しに奔走する中、拓と楓は真の「知らなかった」という言葉を頼りに、遺留品の吸殻が検察ではなく警察に保管されていると確信し警察署へ向かう。草津の協力を得て警察署で吸殻を手に入れた拓は、DNA型鑑定に必要な神津の皮膚片を持って秋保の元を訪ねる。被害者遺族の心の痛みを知ることはできないながらも、冤罪被害によって命を絶たなければならなかった浅間が生きていた時の温かさは知っていると話すまっすぐな拓に、過去の事件を蒸し返すことを拒絶していた秋保の心は再び揺れる。
その夜、拓は楓にかけられた『分からない』ということは『とことん分かろうとすること』だ、という言葉を思い出し、神津の経歴書にあった『前科一般』『痴漢』の文字に目を留める……。
そして裁判の日。法廷に立った拓は富士田が殺人を疑われている事件現場にあった吸殻と11年前の殺害現場にあった吸殻の鑑定を行ったと話す。証言台に立った秋保は二つの吸殻のDNA型鑑定の結果、同一人物の吸殻であったと証言。吸殻が悪意ある第三者による偽装工作かもしれないという検察の
そして、法廷に現れた真が見守る中、弁護側証人として神津が証言台に立つ。DNA型鑑定の結果吸殻が神津のものだったことと、事件現場付近の監視カメラに映った姿などの証拠から言い逃れできない状況に立たされた神津は、開き直った態度で3件の殺人全てが自分の犯行だと認める!日本の警察や検察の問題点を浮き彫りにするために、罪を着せる人間を選んで計画的に犯行を遂行したと平然と語る神津の態度に法廷は騒然とする。傍聴席の秋保が怒りに震える中、拓はかつて4度の大学受験に失敗した神津が、5度目の受験でようやく希望の大学への入学を控えていた時に電車内で痴漢の罪を着せられて進学を断念した過去について突然語り出す。神津のことが『分からない』と思っていた拓は神津を知るために過去の前科について徹底的に調べ、神津自身が冤罪被害で人生をメチャクチャにされた事実に辿り着いたのだった。核心を突かれ激しい怒りを爆発させる神津に、拓は冤罪の苦しみを誰よりも分かっていたはずの神津が他人に罪を着せ、反省もせずにいることを激しく追及する。そして、拓が主尋問を終えたその時、傍聴席の真が11年前の事件の担当検察官として自ら手を挙げ、言葉を発する……。真は明らかになった真相を前に、かつて自分が有罪を主張したことで無実の浅間を自殺に追いやった過ちを心から謝罪する。拓はこみ上げる思いを胸に、改めて富士田と、自殺した浅間の無罪を主張する。
裁判を終え、積年の心のつかえが取れながらも被害者たちは帰ってこない現実を前にスッキリとはできない拓に、秋保はやっと亡くなった妹と浅間の死を悼むことができ救われたと話す。一方、真は検察官の請求権を使い、11年前の事件の再審請求をしようと決意していた。真の検察での立場を心配する指宿に、真は「過ちは正す必要がある」と返す。
数日後。裁判の結果を受け、保駿堂法律事務所には刑事事件の依頼が殺到していた。拓に触発された