STORYストーリー

12019.01.19

保駿堂ほうしゅんどう法律事務所で刑事事件を担当する若手弁護士の黒川くろかわたく(坂口健太郎)は、日本の司法制度の下では異例の3年で5件もの逆転無罪を勝ち取っている凄腕弁護士。しかしその素顔は、人当たりはいいものの、整理整頓が苦手で取材嫌い、事務所の物置に住み着いている変わり者。訳あって大手事務所をクビになり、ひと月前から保駿堂法律事務所で働く新米弁護士の和倉わくらかえで(川口春奈)は、不本意ながら拓を手伝うことになるが、独特のペースに振り回されてストレスが溜まるばかり。この日も拓は冤罪事件に関心を持つ報道ディレクター・有馬ありま聡子さとこ(市川実日子)の取材をドタキャンし、勝手に依頼を受けていた依頼人との約束を優先させる。
依頼人・阿蘇あそ恵美子えみこ(中島ひろ子)の夫・重雄しげお(吉田栄作)は、自宅に放火をした容疑で逮捕された後、犯行を自白。阿蘇家には借金があり、偶然にも恵美子が不在の日に事件が起きたことから保険金目当ての犯行とされているが、恵美子は夫の犯行が信じられないと言葉を詰まらせる。拓は火事の際に重雄が慌てて持ち出したという戦隊ヒーローのフィギュアに興味を示す。それは5年前に10歳で亡くなった息子・幸雄ゆきお(岩田琉聖)の形見の品。しかし、5体セットのフィギュアのうち、運び出されていたのは2体だけだった……。



早速接見に向かう拓と楓だが、今回の事件はすでに被疑者の重雄が自白済み。弁護方針を尋ねる楓に拓は、警察の調書が犯人像をイメージしやすい“よくできた調書”だったと話す。そして、接見室で力なく罪を認める重雄に、計画的な犯行であれば大切な息子の形見を全部運び出せたはずだと迫り、警察から虚偽の自白を強要されたことを告白させる!
翌日、火事のあった阿蘇宅跡で証拠写真を撮る拓と楓、パラリーガルの城崎きのさき穂香ほのか(趣里)は、集まって来た小学生たちから“ユキオの呪い”で火事が起きた、と気になることを言われる。実は幸雄が亡くなったのは廃工場で花火をしていた際の失火が原因だった……。そんな中、所長の別府べっぷ長治ながはる(杉本哲太)から呼び出された楓は、事務所の利益に無頓着な刑事事件担当の拓やベテラン弁護士の湯布院ゆふいん和人かずと(志賀廣太郎)が暴走しないように監視役を任命される。冤罪にこだわるあまり警察や検察に批判的すぎる拓たちは、別府からあまり良く思われていないようで……。



そして迎えた公判初日。重雄の取り調べをした刑事の下呂げろ(阪田マサノブ)が証人として出廷するが、下呂の挑発に乗った重雄は法廷で暴れ、心証を損なってしまう。さらに、検察側は梁の焼け方から、2階の子供部屋が出火場所と特定し、弁護側が主張する1階の押入れにあったストーブからの失火を科学的に否定。弁護側は窮地に!!
そんな状況でも焦った様子を見せない拓は、再び現場に行くだけでなく、幸雄が亡くなった廃工場にまで足を運ぶと、落ちていた弾倉から、廃工場がサバイバルゲームに使われていると推測。火災時の映像にミリタリー服を着た若者たちが映っていたことに一人納得する拓だが、焦る楓は少しでも刑期を軽くするための情状弁護に切り替えることを提案する。しかし拓は、保険金目当ての放火だと決めつけることと、子供への愛情があって本人も否定しているから放火していないと決めつけることは同じだと語り、真実がわからないから調べているのだと答える。さらに、阿蘇家のミニチュアを作り、焼け方を検証していた拓のせいで事務所ではボヤ騒ぎが勃発!拓の徹底した調べ方に呆れる楓だが、入手した映像を見ていた拓は突然何かを思いつく。
数日後、拓が向かった大学の実験施設で待っていたのは物理学科准教授の肩書を持つ偏屈な科学者・秋保あきう恭一郎きょういちろう(藤木直人)。なんと、そこには原寸大で再現された阿蘇家のセットが用意されていた!採算度外視の拓の大暴走に腰を抜かす楓だが、盛大に燃えるセットを真剣に見つめる拓……。
そして弁護側反対尋問の日。法廷には火災実験の映像を元に証言台に立つ秋保の姿があった。阿蘇家の梁には根太と呼ばれる建築資材が使われており、設計図に基づいて作ったセットでは弁護側の主張する1階からの失火でも現場と同じ梁の焼け方になったことを証明する。さらに拓は、特定の周波数による強い電波が押入れのストーブのスイッチを誤作動させたと主張。実はストーブを誤作動させた違法電波は廃工場のサバイバルゲームで使用されていた無線機だったのだ!拓の地道な調査と実証実験によって重雄は逆転無罪を勝ち取る!
裁判後、敗れた担当検事・指宿いぶすき林太郎りんたろう(小市慢太郎)に敗因を諭す、拓の父で最高検の次長検事・黒川くろかわしん(草刈正雄)。真は冤罪事件に入れ込む息子を認めていない様子だが……。



このストーリーを
シェアする