そんな中、『青梅のカサノバ』こと資産家の
翌日。拓と楓、
公判の日。検察側の証人は事件時間に乗鞍家のそばで満里奈を見たと証言し、満里奈が練炭を仕込んだ後窓から外出していたことを主張。しかし、拓は満里奈の写真とコートの色だけを根拠にした警察の見込み捜査だと反論し、乗鞍家近くの監視カメラの映像を見せる。庭の防犯用センサーライトが光っていないことから満里奈が窓から出たという検察側の主張を潰し勝訴に近づく拓だが、なぜか深刻な様子。裁判後、拓と楓は、拓の父・
一方、湯布院はかつて担当していた中小企業の一家のことを思い出し、投資詐欺で倒産し練炭で無理心中を図ったその一家が満里奈の家族だったことが判明する。しかも投資詐欺には裏で乗鞍が関わっていた。生き残った長女の満里奈は、両親を死に追いやり弟に脳障害を負わせた乗鞍に結婚前から恨みを持っていたのだ。
翌日、接見した拓と楓は満里奈の真意に迫るが、殺していないと主張を続ける満里奈は自分の言葉を信じて無罪を勝ち取るのが弁護士の仕事だと迫る。なぜ一酸化炭素が充満した部屋で満里奈が無事だったのか、その真実を追えば依頼人の嘘を証明してしまうかもしれないことに、弁護士としてどうすべきか激しく葛藤する拓。さらに拓は、寝たきりの満里奈の弟・
拓と楓、秋保、穂香、聡子たちは実際の寝室で事件当時の状況を再現するため乗鞍家へ。室内にはリビングのモニターに繋がるカメラと一酸化炭素の濃度計、黒い敷石が入れられた水槽、過酸化水素水と二酸化マンガンの袋、そして練炭が用意され、ドアに目張りをした拓が、ある仮説のもと命をかけて部屋に残る……!! 窓のカーテンをピクチャーレールに吊り下げ、満里奈と乗鞍のベッドを隔てる簡易的な衝立にすると、リビングで見守る楓たちが緊張する中、拓が練炭に火をつける。秋保は一酸化炭素の充満する寝室で満里奈が生き残ったのには三つ理由があると説明する。一つ目は、ドア側で焚かれた練炭の一酸化炭素が気流の影響で吹き抜けになっている天井に昇り、反対側つまり乗鞍のベッドがある窓側の壁に沿って降りて行くこと。そして二つ目の理由は二つのベッドを仕切るカーテンが一酸化炭素の流れを遮り、乗鞍のベッドがある側の濃度が先に上がったこと。三つ目は、あらかじめ用意した過酸化酸素水が入ったペットボトルに二酸化マンガンを加えて発生させた酸素で満里奈が1時間もの時間をしのいだこと。そして、第一発見者の家政婦が家に着いた時、満里奈はカーテンを剥ぎ取り、二酸化マンガンは証拠隠滅のため水槽にぶちまけ、もともと入っていた敷石の中で見分けがつかないようにしたのだ。仮説を立証するための実験が終わり、息も絶え絶えに部屋から飛び出してくる拓を、楓が抱きとめる。
翌日、拓から全てを聞いた満里奈は、かつて無理心中を図った父親が偶然衝立を立てて練炭を焚いたことで自分が助かったことから、同じ方法で乗鞍を殺そうとしたと白状する。乗鞍に死に損ないの弟を養う義理はないと言われたから殺したと話す満里奈に、拓は弁護方針を情状酌量に切り替えようと提案。もともと湯布院に依頼をしたのは自分の復讐に気づいて欲しかったからではないのかと話し、裁判に勝っても罪を背負ったままでは救われないと諭す拓だが、満里奈によって解任されてしまう……!!
そんな中、満里奈の弟の容態が急変! 弟が亡くなったことで満里奈のなかで何かが切れる。そして裁判の日。新しい弁護士とともに裁判に臨む満里奈を傍聴席から拓と楓が見守る中、満里奈は無罪を主張する新任弁護士を遮り突然法廷で自分の犯行を告白する! 弟が死に無罪を勝ち取る意味がなくなったという満里奈はその場で拓たちに情状弁護を依頼する。自分が依頼人にしたことが正しいことだったのか悩む拓だが、楓は満里奈が選んだことだと話し、改めて満里奈の裁判に向き合う決意を固めるのだった……。
そして楓の元には聡子から『東央大殺人ドキュメンタリー』と書かれたDVDが届く……。