アナウンス部
作品の最後に
命を吹き込む
ナレーション
徳島 えりかErika Tokushima
2011年入社
法学部 政治学科 卒
『シューイチ』、『news every.』などを担当。
アナウンサーは
原稿を読む人だと思っていた
将来は、報道記者とか出版の編集者になって「人に何かを伝える仕事」につきたいと思っていました。そんなことを思っていた大学2年生の冬。大学の講義にアナウンサーの方が来てくれたんです。生意気ですが、それまでアナウンサーは「与えられた原稿をただ読む」というイメージだったんです。でもその方が「自分で取材をして、ディレクターと相談しながら原稿を作って放送している。放送すると取材相手・テレビを観た人にプラスの影響を与えられる」というお話をしてくれました。アナウンサーは原稿や台本を読む人ではなくて、自分の力で多くの人と感動を共有できる仕事なんだ!と知って、私もそんな仕事がやってみたいと思ったんです。
声だけの出演、それは究極の仕事
ナレーションはバラエティーや情報、スポーツ、報道のVTRなどに「声だけで出演する仕事」です。声だけで番組を進行したり、VTRに色を添えたり、表現をする…。声だけが頼りのナレーションってごまかしが効かないのでアナウンサーにとっては究極の仕事だと思いますね。私はまだまだへたで今でも失敗ばかりですが、間の取り方、声のトーン、抑揚を意識してナレーションをしています。日テレアナウンス部にはナレーションの名手といわれている先輩が多くて…天性の声質と年月とともに練られたまろみのある声…情感たっぷりな声って素敵ですよね。
作品の最後に命を吹き込む
ナレーションってVTR制作の過程の最後に行うんです。取材(ロケ)に行って、撮影をして、編集をする。これでVTRのほとんどが完成するのですが、最後の仕上げとしてアナウンサーがナレーションブースにこもってVTRを見ながらナレーションを読む。作品の仕上げに関わるんだという責任感がやりがいだと思います。自分のナレーションのリズム・声色でVTRの雰囲気が変わってしまいますからね。多くのスタッフが何日もかけて作り上げた作品に「最後に命を吹き込む」といいましょうか、とても難しくて、繊細なお仕事です。
東京オリンピックを目指して
日本テレビのアナウンス部は、若手にどんどんチャンスを与えてくれるんです。私は2年目でロンドンオリンピックの現地キャスターを務めさせていただきました。オリンピックの仕事に関わるというのは夢だったので、ロンドンではメダリストの話を聞けたり、毎日が刺激的で充実していたんです。でも日本に帰ってきて「私はオリンピックの魅力を皆さんにお伝えできていたのだろうか」と反省して…楽しい思い出がとたんに全部悔しい思い出になってしまいました。もっと何が出来るか自分なりに考えて行動しなくては行った意味がないと…この想いは、東京オリンピックへと引き継がれました。視聴者のみなさんに「感動」を伝えられるよう、今までに培った経験を全力で生かそうと思いながら声を届けました。