2019年7月25日(木)
東京都多摩消費生活センター(東京・立川市)
夏真っ盛り、アブラ蝉の鳴き声が響き渡る中、お邪魔したのは東京・立川市にある「東京都多摩消費生活センター」です。
市民のさまざまなサポートをしているこの施設では、毎年、子供たちの夏休みの自由研究に役立てられる『親子夏休み講座』を開催していて、今回私たちにお声がかかったのです。
普段は中学生や高校生を対象に学校でおこなっている『情報の海の泳ぎ方』。 “親子で参加”という授業スタイルは初めてで、私たちもドキドキしながら教室に入りました。
集まったのは、色々な小学校の4年生から6年生の親子20組、40名の皆さん。
会議室で机を寄せ合い、アットホームな空気になりました。
新聞を読んでいますか?テレビのニュースを見ていますか?と聞くと、半数ぐらいはサッと手が上がります。ツイッターなどSNSを見たことがあるというお子さんもちらほら。
授業は、災害時にインターネット上で飛び交ったフェイクニュースの事例を見せながらスタートするのですが、すぐに「あ、それ知ってる!」とつぶやく声も聞かれ、敏感な反応に驚きました。
休憩のあいだには、講師2人で6つのテーブルを回り、子供たちとざっくばらんに会話しました。「みんな、夏休みの宿題やってる?」ときくと、小学5年生のお子さんは、「自由研究以外は全部やったよ、パソコン使って調べたりしたよ」と元気よく答えてくれます。
自分で受けたいと思って応募したとハキハキ喋ってくれる女の子、お父さんの陰に隠れてちょっと声が小さ目の男の子・・・それぞれの親子関係が垣間見えて微笑ましい場面もありました。
ある保護者からは、「学校の課題をするときに、息子と一緒にインターネットでいろいろ調べますが、検索するとたくさん出てきてどれが役立つ本当の情報かわからなくなるんです。どうやって選んだら良いのでしょうか?」と、真剣な表情で相談を受けました。
今や小学生の生活にも切り離せないインターネットは、親にとっても扱いが悩ましい存在なのだと、私たちも再認識させられました。
この授業の特色となっているワークショップは、ネットで調べることとは正反対の、アナログな“電話取材”を通して、〈正しい情報の見極め方〉を模擬体験してもらう時間です。子供たちはさながら少年探偵団になった気分で積極的に質問の声を上げ、協力し合い、大いに盛り上がりました。
保護者の皆さんもあえて手助けせず、そんな様子をあたたかく見守っているのが印象的でした。この体験型の授業が、自分のお子さんの成長を実感する機会、子育てのヒントを見つけられる機会にもなっていたら、尚更うれしく思います。
最後に、参加者の声をご紹介します。
- <児童>
- *ニュースの企画を考えるのに思った以上に人がいっぱいいることがわかってびっくりしました。
- *一つのフェイクニュースだけで全国がパニックになるのはこわいなと思いました。
- *記事が本当か調べることなど、とても楽しくてわかりやすかったです。これからインターネットの記事などをみる時は気をつけて、まちがったものを信じてしまわないように努力したいです。
- <保護者>
- *実際に取材されてきた先生方のお話がとても興味深かったです。子どもたちはインターネットがあまりにも身近に育っているので、情報の取捨選択能力は本当に大切だと思います。何か心に残って、今後成長してくれたらと思います。
- *グループディスカッションでは問題解決能力が養われるので役に立ったとともに、他の子達の発言やまとめ力の高さに驚き、良い刺激となりました。