2019年10月21日(月)
東京女学館高等学校(東京・渋谷区)

「かわいい!」
教室の方々から、声が上がりました。授業の中で流している映像を見ての反応です。

「情報の海の泳ぎ方」では、児童がフェイクニュースを見破ることができるか挑戦するアメリカの小学校の授業の様子を映像で紹介しています。実際、映像の中の児童は、フェイクニュースを見破るのに四苦八苦し、その様子が実に表情豊かに映っているので、確かにとてもかわいいのです。ですので、こうした反応が起こることは珍しくはないのですが、この時は、いつにも増して大勢の生徒たちが、「かわいい!」と呟くのみならず、終始、映像の中の児童のコミカルな動きや小さな変化も見逃さずに観察しているのが良くわかりました。

実はこの「丁寧に見る」というのは、情報を精査するうえで非常に大切な要素です。授業の中では、不正確な情報が飛び込んで来た時に「おかしいと気づける嗅覚が大事」という話をするのですが、この嗅覚は、自分の目の前の情報を、よく見て(読む)、丁寧に見て(読む)、そして初めて働くものだからです。

今回、私たちの出前授業に声をかけてくださったのは社会科の先生でした。こちらの学校では、中学の時に、公民の授業の課題として、生徒は新聞記事を切り抜いて、ノートにその記事の要約と、記事についてのコメントを書くことを1年間続けているとのこと。これは、世の中の動きをつかんで自分の考えを持つための取り組みなのだそうです。こうした学校の取り組みが、生徒のつぶさな観察力にもつながっているのかもしれないと感じました。私たちは、「テレビ局」の視点で授業を行っていますが、メディアの種類によって、伝えることのできる情報の量や質に差違があることから、テレビのみならず、新聞をはじめ多様なメディアから情報を入手する大切さについても触れています。今後も、マスメディアと呼ばれる企業の一員として、教育現場の先生方と協力して「ものを見極める力」の向上に寄与していきたいと思います。

(担当/林)

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