『カズレーザーと学ぶ。』今回のテーマは「現代人の食と健康」
現代人の食と健康
「うつや肩こりは食が原因!?隠れアレルギーに注意せよ!!」
栄養療法専門医の溝口徹は、現代人が悩む頭痛や肩こり、不眠・うつは食べ物が原因の可能性があるという。
そもそもアレルギーとは体の中で起こる免疫の過剰反応。一般的に「アレルギー」として認識されている、アレルギー食材を摂取してすぐに症状が出る即時型と、摂取から数日遅れて症状が出る遅延型がある。遅延型は食事が原因とわかりにくい部分もあり「隠れアレルギー」と呼ばれ、腸内環境の乱れを引き起こす可能性がある。
腸の粘膜が荒れているとたんぱく質などの物質が分解仕切れないまま吸収されてしまうことでIgG抗体が大量にでき始め、その結果「腸漏れ症候群」を引き起こす。腸漏れの状態の時は脳の血液脳関門が開いてしまうため、脳にとって悪い物質が入ってくると同時に、大事な物質GABAが漏れる。GABAは神経伝達物質でこれが漏れるとイライラやうつの引き金になる。これを抑えるには甘い物を控えることと、腸の粘膜を丈夫にするビタミンDを摂取すること。ビタミンDはきのこ、ししゃもなど魚の内臓を食べること、そして日に当たると良い。
栄養療法専門医の溝口徹
「長寿遺伝子『サーチュイン』老化を遅らせる夢の食材!?」
東京工科大学・免疫食品機能学教授の今井伸二郎は老化を遅らせる夢の食材があるという。
2000年、マサチューセッツ工科大学の研究グループがサーチュイン遺伝子と呼ばれるたった一つの遺伝子を活性化させただけで寿命が伸びることを発表し、大きな話題となった。
たんぱく質には、機能を制御する役割としてアセチル基という化学物質がくっついている。そのため細胞があまり機能しない状態になるが、そこにサーチュインの酵素が働くとアセチル基が外れるので細胞が再活性化する。
マウスの実験により、摂取する栄養素を30%カットするとサーチュインは得られるといわれているが一方で栄養失調などの危険性もある。しかし、人間はサーチュイン遺伝子を持っているので、ある食べ物を食べることでカロリーカットをせずとも遺伝子の量を増やし、活性化させることができる。
老化を遅らせるには重要な栄養素が2つある。まずはポリフェノール。ポリフェノールにはサーチュインの発現を高めるスイッチを入れる役割を果たしている。中でも、体内でエラグ酸をもとに作られるウロリチンという成分がサーチュインを活性化させる。
エラグ酸がたくさん含まれるスーパーフードはザクロ。サーチュインは7種類あり、中でも抗老化に機能しているのは3種類。ザクロにはウロリチンの他にこの3つのサーチュインの活性に効果が高いポリフェノールが含まれているという。もう一つはサーチュインの機能を上昇させる栄養素アルキルレゾルシノール。穀物の外皮に含まれる成分で、一番多く含まれているのがライ麦だそう。
東京工科大学・免疫食品機能学教授の今井伸二郎
「両親の食事で決まる!?子どもの生活習慣病リスク」
京都府立大学・分子栄養学研究室教授の亀井康富は、胎児の時点で、母親、父親、両方の食事を原因として生活習慣病リスクが高まる可能性があると述べた。
まず、母親が極端なダイエットをして栄養不足になった場合、胎児は生まれてきた後に食べ物が少なくても栄養を効率的に蓄えられるよう太りやすい体質で生まれてくる。つまり、低栄養の母親から生まれてくる低出生胎児は生活習慣病になりやすい。これは遺伝子を後天的に変化させる現象で「エピジェネティクス」と呼ばれる。「エピジェネティクス」とは遺伝子の配列は一生変わらないが、環境の変化によってそこに組み込まれた配列をオンオフし、体質や老化、病気のなりやすさを変化させる機能のこと。
一方、父親の食事が子どもの体質に影響するという調査結果もある。マウスの実験ではメスは普通食、オスに高脂肪食を与えると子どもが糖尿病になりやすくなるという結果が出た。人でも父方の祖父の極端な食生活が孫の将来の生活習慣病のなりやすさに影響するかもしれないといわれている。
京都府立大学・分子栄養学研究室教授の亀井康富
人生が変わるワンワード「高級住宅街世田谷区のイメージを覆す!?二次相続問題」
経済・社会問題評論家の牧野知弘から人生を変える街の先読み術を学ぶ。
世田谷区の住宅の多くが1億円を越えるが、今後家賃が15万円程度で住めるようになるかもしれないという。
世田谷区は高度成長期に地方から東京に出てきて働くサラリーマンが好んで住んだ街だったが、撮影所が建てられたこともあり、監督や俳優など文化人が住むようになり高級住宅街になっていった。この住宅街になぜ安い家賃で住めるかというと、配偶者が相続する一次相続では配偶者特別控除が適用されるため相続税の特別控除があるが、子どもが相続する二次相続には控除がない。二次相続で受け取る場合、相続額が1億5000万円だと、相続税が2860万円かかり、家を手放そうという人が出てくる。そこで人に貸すという選択肢が出てきて、マーケットには戸建ての賃貸が出始めているという。
高級住宅地で良いイメージがあるので、ブランド価値が下がるというわけではなく、若い人が住みたい街になりいろんな文化が出てくることが予想される。
経済・社会問題評論家の牧野知弘