カレーの持つ健康への効果を専門家が徹底解説!さらに孤独から身を守るための最新知識を学ぶ
『カズレーザーと学ぶ。』今回のテーマは『カレー』『孤独』
『最新研究で判明!最強食品カレーの正体』
番組でたびたび紹介してきた、カレーのスパイスに期待される様々な病気への予防効果や驚きの効果。そんなスパイスに関する新たな効能を語ったのは、京都大学大学院 薬学研究科創発医薬科学専攻 掛谷秀昭教授だ。
カレーに含まれるスパイスの中で、教授はウコンなどに含まれる成分『クルクミン』について注目しその効能を解説。クルクミンには抗炎症作用があり、2型糖尿病や動脈硬化といった慢性的な炎症が関与する病気に効果がある。さらにPM2.5などによって引き起こされる炎症にもクルクミンの抑制作用が働くという。そのほか秋田大学の研究では、ターメリックを加熱することで胃がんの抑制効果が5倍上がったそうだが、クルクミンを含むウコンなどを過剰に摂取すると消化管障害を引き起こす可能性もあるため、注意が必要だ。
カレーに含まれるスパイスが持つ効能はほかにもあり、カルダモンやクミンは体内に侵入したインフルエンザウイルスなどの増殖を抑える効果が明らかとなっている。
日常的に摂取することで、あらゆる病気のリスクを低減することが明らかとなったカレーだが、食べる際にライスなどを多く摂取すると、炭水化物や糖質によって血糖値の上昇が心配される。教授は“そば”などを活用しカレー南蛮として摂取することで、食後の急激な血糖値上昇を抑えられると語った。
京都大学大学院 薬学研究科創発医薬科学専攻
教授 掛谷秀昭
『最新脳科学で判明 孤独は伝染する!防御法は???』
東北大学大学院 生理学 虫明元教授は、脳科学の観点から「ある場所が活性化すると、孤独を感じてない人でも、伝染してしまう」という孤独の危険性を解説した。
教授によると、孤独を感じた際に活発になる『前帯状皮質』とよばれる脳の部位は、体の痛みを感じた際にもその働きが活発化するそうで、脳においては心の痛みと体の痛みは同じように捉えられているといえるのだとか。『前帯状皮質』が活性化すると、不安を取りのぞく働きを持つ『セロトニン』が分泌されにくくなるため、人とのつながりをより強く求めてしまうようになる。『前帯状皮質』は他者の痛みに共感するだけでも、その痛みを自分のことのように感じてしまうそうで、孤独感を共有することで話を聞いた相手も自分が傷ついたような思いになるそうだ。教授は特に自尊心が低い人は他者の孤独が伝染しやすいと注意を促し、特に日本人は他者を褒めることが苦手なため自尊心が育まれにくいとしたうえで、価値観や自尊心を形成する脳の部位『デフォルトモード・ネットワーク』を鍛えるべきだと語った。『デフォルトモード・ネットワーク』を鍛えるには、他者に自分の人生の話をしたりアートなど正解のない自己表現に取り組んだりするとよいそうで、こうした活動を通して他者に認められるという経験を積んでいくことが、孤独解消に効果的だと教授はアドバイスした。
東北大学大学院 生理学
教授 虫明元
『1万人のデータで判明!20代が深刻?SNSで拡大する孤独の正体』
人間関係の中で起こる寂しさや辛さから感じる孤独について解説したのは、早稲田大学 文化構想学部 石田光規教授だ。教授は、20代から30代にかけて孤独に関する悩みを抱えている割合が高くなっていることを紹介したうえで、こうした悩みは心身の健康状態にも影響を与えると警鐘を鳴らした。教授によると、寿命に対して孤独が与える影響は、喫煙よりも高いのだという。人間は孤独を感じると生活が不健康になりやすいため健康を害しやすくなるそうだが、ほかにも孤独による大きなストレスによって脳卒中や心臓病にかかるリスクが高まってしまうそうだ。そもそも人間が脳の働きを維持するには他者との交流が欠かせないため、こうした交流の頻度が減少すると脳機能も低下するのだとか。
最近ではSNSの発達によって人間関係が可視化されやすくなり、他者の行動が気になってしまうことも孤独感を強める原因となっている。教授はSNSが「相手が(自分を)大事にしてくれるかどうかをはっきり示す」ツールだとしたうえで、時にはSNSの友達関係を整理するなど、他者に合わせすぎてしまうようなSNSのやり取りなどを控えることをすすめた。
早稲田大学 文化構想学部
教授 石田光規