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なぜゾンビドラマは人気があるのか?
大ヒットドラマ『ウォーキング・デッド』の秘密に迫る!

今やゾンビドラマの代表格となった『ウォーキング・デッド』。

2010年の放送スタート時より、爆発的な人気を生み出し、
その勢いは、いまだ劣ることがない。

なぜ世界中の人々はゾンビドラマが好きなのか?
どうして『ウォーキング・デッド』がここまでのヒットを生み出しているのか?

今回は、その秘密に迫っていきたい!

©TWD productions LLC Courtesy of AMC/provided by FOX channel

Huluにてシーズン1~5(字幕・吹替)配信中
シーズン6の吹替版は5/29よりスタート。字幕版は配信中。

ゾンビのクオリティの高さに脱帽!

ゾンビ作品は昔から人気が高い。
有名なところでいうと、映画『バイオハザード』シリーズや『死霊のはらわた』など。
最近では、『死霊のはらわた』がドラマ版として戻ってきたり、
『ゾンビ・アット・ホーム』という異色のゾンビドラマが誕生したり、
我々は今、空前のゾンビブームの最中にいるといっても過言ではない。

現在のゾンビブームの火付け役となったのが、まさしく『ウォーキング・デッド』だが、
人気の秘密はどこにあるのだろうか?

まず注目してもらいたいのが、登場するゾンビのクオリティの高さ。
基本的にゾンビを演じているのは、無名の俳優やエキストラなのだが、
製作陣のこだわりで、彼らは人間役の俳優陣と食事を一緒にとらない。
絶対に行動を共にしないのだ。それは、人間とゾンビの間に溝を作り、
本番での演技によりリアリティを出すため。

あわせて、ゾンビたちに細かな演技指導が入るなど、
役者がゾンビになりきれるような環境を製作陣が準備しているのが特徴的だ。

ちなみに、
ゾンビたちは、夜中二時まで飲んで、
バーから出てきたような演技をするように製作陣から言われている。
そういった目でゾンビたちを見てみると面白いかもしれない。

また、シーズンが更新されるごとに、ゾンビの外見が変化していくのも印象的だ。
これは、時が経過し、ゾンビたちが腐敗していく様子を現したもので、
シーズン1だと、まだフレッシュなゾンビたちも、シーズン4に入ると、
頬はこけ、顔色はグレーがかり、ミイラに近づいてきているのがわかる。

“ゾンビ“という存在をただ恐ろしいものとしてだけでなく、
リアリティを持たせたのが、このドラマのヒットの理由である。

ゾンビより恐ろしいのは人間たち!

ゾンビよりも醜く、残酷なもの…それは人間である。
驚くべきことに、このドラマ、1シーズンで実に多くのキャストが亡くなるのだが、
毎回、ゾンビによる被害者よりも、人間に殺された被害者のほうが多い。

そう、このドラマは、窮地に追いやられた時、人間がどのような行動をとるのか、
人間の内面にフォーカスをあてている。

仲間と手をとりあって、なんとか生き延びようとするものたち、
自分だけ生き残ればいいと、仲間を殺めるものたち、
残酷にも人を次々と虐待し、殺害して楽しむものたち。

人間が引き起こすとんでもない事態に、
毎シーズン驚かされ、視聴者は嘆かざるを得ない。
どうして、人間はここまで愚かなのかと。

ゾンビだけでない、
人間の恐ろしさを容赦なく描いていることこそ、
このドラマの魅力と言えよう。

放送は2030年まで続くかも?これ以上どう展開していくのか!

本作で製作総指揮を務めるスコット・M・ギンブルは、
ロサンゼルスで開催されたPaleyFestに参加した際、
「私たちは(この作品を)20年間続けてみたいと思っている」とコメント。
つまり2030年まで続けていくことを目指すというのだ。
同時に、主要キャストが他の作品のために
本作を降板する予定がないことも明らかにしている。

これが事実なら、これから放送が始まろうとしている放送からシーズン7は、
まだ物語の半分にも至ってないということだ。

このドラマの放送がスタートしてから、
視聴者は心の休まる瞬間がなかったはず。
なぜなら、衝撃的な展開がずっと続いてきたからだ。

現在、新しいシーズンが始まる前に、
必ず世界中のメディアやファンが、
「次殺されるメインキャスト」の予測をたてる。

その予測から、結果が全く違った時の裏切りまでを通じて、
ファンは楽しんでいる。

これがあと10年続くかもしれないというのだから、
驚きだ!

ここからどう物語が展開していくのか、
それは、コミック『ウォーキング・デッド』の原作者である
ロバート・カークマンのみぞ知るだが、
スコット・M・ギンブルは、コミックとはまた違ったストーリーを
展開させていくことも考えているらしい。

ドラマが、『ゲーム・オブ・スローンズ』のように原作を追い越し、
新しい筋書きを見せてくれる日も近いかもしれない。

以上が、ドラマ『ウォーキング・デッド』ヒットの秘密である。

この作品のどこが他のゾンビ作品と違い、
いかにファンを巻き込んで展開してきたかがわかるだろう。

海外ドラマ黄金時代を築いた伝説のドラマとして
後に語りつがれていく作品だと私は思う。
全エピソードを見ている人も、
一話も見たことのない人も、
この記事を読んで、『ウォーキング・デッド』第一話を観たくなったのではないだろうか?

Huluで吹き替え版が配信されたこの機会に、ぜひチェックしてみて!

(text:伊藤ハルカ)

伊藤 ハルカ

週に20本、年間1500本以上のアメリカドラマを観る、「日本一アメドラを観る女子」。「アメドラ界のデーブ・スペクター」を目指し、アメドラコラムニストとして幅広いメディアで活躍中。

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